何もしないことが実は最大のリスク

今後、日本という国の財政が破綻する可能性が一切なく、政府が老後資金問題に対する盤石な布陣を敷き、自分の老後についてきちんと面倒を見てくれるという確信が持てるのであれば、これまで通り円預金だけで運用を行っていてもいいと思います。

しかし、そんな保証はどこにもありません。

1990年代初頭に起きた日本のバブル崩壊から、日本経済は「失われた20年」と呼ばれる長い停滞期に突入しました。2012年から始まったアベノミクスにより、一時は円安が進み、株価も上昇しましたが、GDPの成長率は一向に伸びていません。

そのような経済状況下にありながら、2019年10月には消費税率10%への引き上げが強行されました。この消費増税により、私たち日本国民にのしかかる経済的な負担は言わずもがな、消費や景気の冷え込みによる日本経済そのものへのダメージすら懸念されています。

もし仮に日本の財政が破綻するようなことがあれば、あなたがこれまで一所懸命働き、生活を切り詰めてコツコツと貯めてきた円預金は紙くず同然となります。「人生100年時代」を生き抜くためには、多少のリスクを取ってでも何か行動を起こしていかなければ自分の生活を守ることはできません。

何も行動を起こさずただ預貯金だけで老後資金を貯めることは、実はもっともリスクの高い行動であると心得なければなりません。

文・世古口俊介/提供元・YANUSY  

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