「一極集中する都市から人の流れを創る」をコンセプトに掲げ、宿泊施設・二次交通が不足している地域に向けて九州周遊観光活性化コンソーシアムが提案・展開している「車泊・休憩駐車管理システム(RVパーク smart)」。
同システムの利用件数が、2023年はコロナ前の10倍、年間1万件を超えた。今、このシステムがなぜ人々の注目を集めているのか、九州周遊観光活性化コンソーシアムが過去の利用データとRVユーザーの動向から調査している。
目的意志を持って車に泊まる「車泊」が人気
そもそも「車泊(くるまはく)」とは何なのか。
一般的によく聞く「車中泊」は、「やむを得ず車に泊まる」といったイメージを持たれることが多い。一方「車泊」は、「車での寝泊まりを楽しむ」「安らぎの場として自然豊かな地域で過ごす」ことを目的にしているという。
あえて「車に泊まる」という選択をして、旅を存分に楽しむ—これこそ、車中泊と車泊の大きな違いだ。
「車泊スペース」利用者が増加中
九州周遊観光活性化コンソーシアムの「車泊スペース」には電源や24時間利用可能なトイレが備え付けられており、道の駅や公園、城などであっても寝泊まりできるのが特徴。
2023年の車泊スペースの利用件数は10,566件、前年に比べると2,122件も増加。関東圏・九州在住者の予約が全体の89%を占め、特に一極集中する都市から九州地方にRVユーザーが訪れていることがわかった。
理由としては、コロナ禍を経てRV車や車中泊者の数が増えたこと、関東圏から九州への来訪者が増えたことなどが挙げられるだろう。
コロナ5類移行後は都市部でも車泊ニーズが高まっており、長期滞在型やコンスタントに利用する人が増加。ヘビーユーザーのみの傾向で見ると、本州在住者は長期滞在型、九州在住者は毎月2~3回ペースで利用していることがわかった。
また、2023年の利用施設トップ2は、福岡県の「博多」と鹿児島県の「天文館」。特に博多は本州方面からの来訪者が63.4%を占めている。
2024年に車旅を楽しもうと考えている人は、便利な「RVパーク smart」を利用するのも一つの手かもしれない。
(IKKI)