山から海へフィールドが広がる。

山岳遭難における捜索で8年間の実績を積んだ「ココヘリ」の新サービス「ココヘリマリン」がスタートした。GPSを搭載した新型発信機を開発し、まったく新しいマリンスポーツ向け捜索支援サービスを提案する。

会員数15万人の山岳遭難対策制度「ココヘリ」

ココヘリは貸与される発信機からの専用電波を捜索隊の受信機で受信する“直接通信”により、スマートフォン通信圏外でも迅速な捜索活動が実施できるサービス。会員数は15万人にものぼる“山岳遭難対策制度”だ。

遭難のフィールドを山から海へ

新サービルである「ココヘリマリン」で使用される新型発信機は、これまで登山計画書や家族からの情報をもとにプロファイリングされていた「捜索エリア」の絞り込みを、「通信圏内最後のGPS位置」という明確な情報をもとにすることでより高い解像度で実現。これにより、さらなる捜索活動の迅速化と早期発見に大きく貢献できることが期待されている。

なお、GPS履歴の送信にはSONYのIoTネットワーク「ELTRES」を使用。ネットワーク通信圏内であれば3分おきに発信機の位置情報を基地局に送信することで、家族や捜索機関がGPS履歴を確認することが可能になった。

民間へリによるフライトや専用電波での捜索を実施

会員は貸与される45gの発信機を身に着けて海に向かい、その間家で待つ家族はスマートフォン上でGPS履歴情報を確認しながら、安心感をもってマリンスポーツを楽しむ会員の帰りを待つことができる。

万が一、帰宅予定時間になっても位置情報が海上から動かず、不安な状況が続いたとしても、24時間365日対応のコールセンターに相談が可能。天候や時間帯などの状況にもよるが専用受信機を搭載した民間へリによる捜索フライトを無料で3回実施する。捜索には山岳遭難で実績のある専用電波での直接通信を使用。目視での捜索と比較して大幅な捜索時間の短縮が期待される。

また、手持ちのスマートフォンを簡易受信機として使用できるBluetoothも搭載。同行している友人や仲間たちによる捜索も可能だ。

さらに、一部公的機関も専用受信機を導入・運用しており、遭難者の位置を特定する有力な手掛かりとして情報提供が可能となっている。

年会費は12,000円。年間約1,300件を超える水難事故から「命を救う」、新しい試みだ。

(hachi)