リーグ戦を5位でフィニッシュした2023シーズンの鹿島アントラーズ。天皇杯(JFA全日本サッカー選手権大会)やYBCルヴァンカップも途中で敗退し、5年連続無冠でシーズンを終えた。変わらずリーグ上位を維持している点は流石だが、長らくタイトルから離れていることは「常勝軍団」と呼ばれ期待を集めるクラブとしては本意でないだろう。
開幕前にはDF植田直通とDF昌子源、加えて夏にはMF柴崎岳がチームに帰還した鹿島。残念ながら今冬、昌子は再び他クラブへ移籍することとなったが、FW鈴木優磨やDF安西幸輝など海外から戻った選手の存在の大きさを改めて感じたシーズンだったとも言えよう。だからこそ、鹿島から海外へと巣立った選手が帰還してくれればと願うファンやサポーターが多くても不思議はない。
ここでは、鹿島から海外移籍を果たし現在も活躍を続けている選手の中から、タイトル奪還に向けて帰還を望む声が多そうな選手を5名紹介していく。
大迫勇也(ヴィッセル神戸)
2023シーズン、ヴィッセル神戸J1初優勝の立役者であるFW大迫勇也は、2009年のJリーグデビューを鹿島アントラーズで飾り、その後2013年まで5シーズンにわたり主力であり続けた。特に2013シーズンは19ゴールを挙げ自身初の2桁ゴールを達成。翌2014シーズン1月にドイツのTSV1860ミュンヘンに海外移籍を果たしている。
その後はFCケルンやベルダー・ブレーメンと一貫してドイツの地でプレー。最後2シーズンはリーグ戦でゴールを奪えなかったが、海外リーグで通算32ゴールをマークしている。その間、日本代表でも主力として最前線に君臨し大きな存在感を示してきた。2021シーズン途中に神戸でJリーグ復帰を果たし、2023シーズンは22ゴールで得点王にも輝いた。
33歳とベテランになった大迫だが、安定したポストプレーや卓越したシュート技術は健在。かつてのエースが今なおJリーグで活躍し続ける現状を見れば、鹿島がもう一度自チームでのプレーを望むのも当然と言えるのではないだろうか。
上田綺世(フェイエノールト)
2019年に法政大学から加入したFW上田綺世。すぐに主力の座を掴みとり、翌2020年からは3シーズン連続で2桁ゴールをマーク。特にシーズン途中から海外挑戦を果たすことになる2022シーズンは、18試合で10ゴールと驚異的な得点力を見せている。
同年7月にベルギーのサークル・ブルッヘに移籍すると、いきなり40試合と多くの出場機会を得て22ゴールをマーク。残念ながら得点王には一歩届かなかったが、海外でもその高い得点力が十分に通用することを見せつけた。
2023年8月、オランダの名門フェイエノールトに移籍。2023シーズン限りで現役を引退したMF小野伸二がかつてプレーしたことでも知られる同クラブで、激しいポジション争いを繰り広げている。日本代表での活躍もあり、その姿を再びJリーグで見ることは先になりそうな上田。もし帰還することがあるならば、是非また鹿島でその得点力を発揮してもらいたいものだ。