エカニット・パンヤ 写真:Getty Images

 浦和レッズ所属MFエカニット・パンヤは、同クラブでのプレシーズントレーニングに集中することを目的に、AFCアジアカップのタイ代表招集を辞退。タイ国内で波紋が広がる中、かつて北海道コンサドーレ札幌や川崎フロンターレでプレーしていたMFチャナティップ・ソングラシンがエカニットの決断に言及している。

 エカニットはタイ1部ムアントン・ユナイテッドで活躍すると、練習参加を経て昨年7月に期限付き移籍により浦和へ加入。10月4日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ハノイFC戦でゴールを決めるなど鮮烈デビューを飾ると、移籍後初スタメンのACL浦項スティーラーズ戦ではFWホセ・カンテの先制ゴールをアシスト。限られた出場時間で結果を残し、1年間の期限付き移籍期間延長により浦和残留を勝ち取っていた。

 そんなエカニットは浦和でのさらなる出場機会確保に燃えており、トレーニングキャンプを通じてペア=マティアス・ヘグモ新監督へアピールすることを熱望。そのためタイ代表を辞退したが、タイ人のファン・サポーターからの批判が相次いでいるほか、同選手のSNSアカウントが炎上する事態に発展している。

 同選手の決断には、コンディション不良によりアジアカップのタイ代表メンバーから外れたチャナティップも反応。タイメディア『matichon』のインタビューで以下のようなコメントを残したという。

 「この知らせを初めて聞いた時は、誰もがアジアカップでプレーしたいから『なぜだろう』と思っていた。その時は残念で悔しかった。だけど少なくともエカニットには、日本でプレーするという、自分自身がさらに成長するためのものがある。彼が浦和の主力選手としてプレーすることを願っている。自分自身の価値を高めて、(タイの)他の選手の道を切り開いてほしい。彼はJリーグでもっとやれるはずだよ」

 エカニットに激励のメッセージを送ったチャナティップだが、自身のJリーグ再挑戦の可能性については「(移籍金が)高額だし、答えづらい質問だね。時間とタイミングの問題だ。今はパトゥム・ユナイテッドでのプレーに集中したい」とコメントを残したという。

 なお石井正忠監督率いるタイ代表には、横浜F・マリノスでJ1制覇の経験があるDFティーラトン・ブンマタン、北海道コンサドーレ札幌所属のMFスパチョーク・サラチャートなどJリーグと縁のある選手が一部メンバー入りしている。