定時で仕事を終えられるよう、効率を意識して働いている人も多いはず。ただ、残業時間の量は世の中の動きや職種に左右されることが大きそうです。
パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」では、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、職種別の残業時間を調査しました。
ひと月の平均残業時間は21.9時間
この調査によると、2023年4~6月のひと月あたりの平均残業時間は21.9時間でした。
過去の数値をみると、2019年は24.9時間でしたが、働き方改革関連法の施行やコロナ禍の影響を受け、2020年、2021年はそれぞれ20.6時間、20.8時間と大幅に減少。その後、コロナ禍からの経済回復を受け、2022年には22.2時間と増加しています。
職種別でみると、残業時間が最も少ない職種は「一般事務」(10.6時間)でした。
2位以降には「秘書/受付」、「医療事務」、「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」、「営業事務」が続き、順番こそ異なるものの、2〜5位の職種は前回調査と同じものがランクインしています。
残業時間が多い職種とは?
一方、残業時間が多い職種1位は、「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」で、前回調査から+5.1時間の42.2時間となり、引き続きの1位です。
小説やマンガ、アニメなどの人気が高まったことや、コロナ自粛が明けてリアルイベントの需要が回復し、紙媒体や告知用広告のニーズが戻ったことなどが増加要因と考えられます。
TOP20のなかで最も残業時間の増加幅が大きい「店長」は、前回の18.9時間から+11.1時間の30.0時間で5位となりました。
コロナ禍における行動制限の緩和により小売店や飲食店への来店者が増えているものの、店舗では人材不足が課題になっているケースもあり、店長への負担増も深刻化しているものと考えられます。
調査の結果から、同社の担当者は「コロナの経済活動に与える影響が少しずつ弱まっていくなか、オフライン需要やインバウンド消費の回復、人材不足などの問題を受け、より効率的な業務体制を模索する企業の動きが活発化しています。業務効率化のためのDX推進や、社員の定着率向上に向けた就業環境の改善に取り組む企業も増えました。今後、はたらく個人のキャリアの選択肢は、より広がっていくのではないでしょうか」とコメントしています。