革新を追求する近畿の伝統工芸技術グループ「革新工芸」が、1月18日(木)~22日(月)にフランス・パリで開催される世界最高峰のインテリア・雑貨見本市「MAISON & OBJET PARIS(メゾン・エ・オブジェ・パリ)」に初出展する。
伝統工芸技術グループ「革新工芸」とは一体何か、ここに紹介したい。
5つの伝統工芸の継承者が出会い、結成されたグループ
「革新工芸」は、伝統工芸の普及促進を目的としたサロンで出会った、近畿地方の5つの伝統工芸技術の継承者によって結成されたグループだ。
陶芸・染物・茶筅(ちゃせん)・漆芸・桐たんすという、異ジャンルで活躍する5人の工芸メンバーが集結。日本から世界へ、「革新工芸」は日本が誇るものづくりを未来へとつないでいく。
同グループは「MAISON & OBJET PARIS」への初出展からスタートし、3月には「京都インターナショナル・ギフト・ショー」にて凱旋展を予定している。
ここで、参加する5つの伝統工芸技術を紹介しよう。
黒染技術の「京都紋付」
1915年に創業した「京都紋付」は、黒紋付の黒色に特化して染色している会社だ。
着物マーケットの縮小に伴い厳しい状況に立たされているが、黒紋付は歌舞伎や伝統芸能において必要な衣装のため、その技術を継承し、新しいプロダクトを提案。
アパレルブランドへの提案や古着のアップサイクルなど、黒染技術の可能性を広げている。
清水焼の窯元
「京焼・清水焼窯元・陶葊(とうあん)」は、大正11年に京都の東山 泉涌寺で創業。
このエリアは瓦の土の産地で、初代・土渕俊雄さんは京瓦職人であり、日本最古の博物館・東京国立博物館にも彼の作品が使用されている。三代目・土渕善英さんはドイツで彫刻を学び、高温で焼くことで強度のある清水焼を作り上げた。
現在は四代目の土渕善亜貴さんが主導し、「花結晶」など、多彩な製品を提案している。
心をつなぐお茶
奈良県高山町に位置する「翠華園 谷村彌三郎(すいかえん たにむらやさぶろう)商店」は、530年の茶筌の歴史を誇り、一服のお茶から心をつなぐことを理念に掲げ、茶筌の製造販売を行っている。
同店では、伝統的な形を守るものと、カジュアルな提案をする2つのブランドを展開している。
伝統と現代アートの漆工芸
京都を拠点とする「牧野漆工芸」は、漆を用いた製品製作に特化した集団である。
神社仏閣から現代アートまで、漆が使われる製作を手がけ、日本の漆の文化を引き継ぎながらも新しい製品を提供している。
桐たんすの工房
桐を用いた家具製造で知られる「家具のあづま」は、100年以上の歴史を有しており、「嫁入り道具」の象徴である白い無垢の桐たんすを製造している。
桐たんすは家族の絆を象徴し、伝統技術を守りながらも時代の変化に対応し続けている。