V・ファーレン長崎はファビオ・カリーレ監督を巡る問題で、今月12日にブラジル2部降格クラブのサントスと協議したことを公式発表。協議内容とは大きく異なる「違約金は発生しない」というサントス側の主張を受けて、国際サッカー連盟(FIFA)に提訴する可能性があると報じられている。
カリーレ監督については、長崎が昨年12月4日に2024シーズンの契約更新を公式発表したにもかかわらず、サントスが19日に同監督の招へいを発表。長崎は今月5日に「今後の日本サッカー界のためにも一方的に契約を破棄したことによる違約金に関しては支払いを求めるべきだと考えております」と声明を発表。違約金額は700万レアル(約2億円)と、ブラジル国内で報じられている。
しかしサントスは日本時間13日未明にクラブ公式X(旧ツイッター)にて「サントスはカリーレ監督と長崎の契約が今年1月1日に終了していたことを把握。長崎との交渉を正式に終了した」と声明を発表。ブラジルメディア『グローボ』によると、長崎と指揮官の契約期間は税制上手続きの関係で11カ月間であるとのこと。2024シーズンの契約が2月からスタートするため、サントスは今月1日から31日はフリーであると認識したという。
このサントスの声明に対して、長崎は13日に「事実に反するのみならず、昨日の会議でのサントスの立場とも全く異なる主張」と反論。「昨日の会議に関する回答がない中でこのようなリリースが発信されたことは極めて遺憾」として、「クラブとしてしかるべき措置を取ることを検討してまいります」と強気の姿勢を崩していない。
事態が混とんとする中、ブラジルメディア『UOL』は長崎の声明における「しかるべき措置を取る」という表現に注目。「しかるべき措置は、クラブ間で法的紛争が生じる可能性を意味する」として、「カリーレ監督を巡る長崎とサントス間の紛争は、FIFAの法制度によって解決される必要がある」と綴っている。
また同メディアは、スポーツ紛争に詳しいブラジル人弁護士の話として「カリーレ監督が実際に長崎との契約に署名したのであれば、日本のクラブは2月1日からFIFAに出向き、違約金を請求することが可能になる。カリーレ監督が依然として長崎と有効な関係を持っており、サントスが疑わしい態度をとった」とリポート。FIFAの裁判で、長崎勝訴の可能性が高いとの見方を示している。