注目作品が一挙に上映される貴重な1日。
2月3日(土)、東京・渋谷のユーロスペースにて「オーストラリア先住民映画祭 2024」が開催され、日本初上映となるオーストラリア先住民の監督による5作品を上映する。当日は会場とオンライン配信のハイブリッド形式となり、全国から参加が可能だ。
2月に「オーストラリア先住民映画祭 2024」を開催
6万年以上前からオーストラリアに住み、世界でも最古に属する文化の伝統を守りつつける先住民、アボリジナルの人々とトレス海峡島嶼民。18世紀にヨーロッパ人が入植し、彼らの生活に大きな衝撃を与えたが、今も彼らはその精神性、土地との繋がりをさまざまな芸術を通じて表現している。
1960-70年代にかけてテレビが家庭に普及する中、先住民の権利回復運動の高まりと相まって、この口承に基づく文化から、新たな表現手段としての映画が先住民自身により作られるようになった。
初開催となる同映画祭では、先住民の監督による5作品、『フィンク 悠久の大地を駆ける』『家畜追いの妻 モリー・ジョンソンの伝説』をはじめ、短編作品となる『グリーン・ブッシュ』『マイベッド、ユアベッド』『ヌラヌラ』を上映する。
フィンク 悠久の大地を駆ける(2018年/92分)
『フィンク 悠久の大地を駆ける』は「砂漠の王者」の称号獲得に人生をかける、ライダーたちの情熱を映し出す娯楽ドキュメンタリー。ディラン・リバー監督。
グリーン・ブッシュ(2005年/27分)
『グリーン・ブッシュ』は深夜の先住民コミュニティ向けラジオ局を舞台に、DJと老人たちの絆を描く感動作。国際的に知られるウォリック・ソーントン監督。同作はベルリン国際映画祭パノラマ部門最優秀短編映画賞を受賞している。
マイベッド、ユアベッド(1998年/17分)
『マイベッド、ユアベッド』は見ず知らずの2人が許婚となる豪先住民の古いしきたりを、みずみずしいタッチで描いた軽快なラブコメディ。エリカ・グリン監督。
ヌラヌラ(2014年/6分)
『ヌラヌラ』はヌラヌラ(こん棒)を振り回すおばあちゃんたちに立ち向かう白人の若手警官。西部劇の雰囲気を感じさる軽妙なコメディ。ディラン・リバー監督。同作はベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門最優秀短編映画賞にノミネートされた。
家畜追いの妻 モリー・ジョンソンの伝説(2021年/109分)
『家畜追いの妻 モリー・ジョンソンの伝説』は人里離れた奥地に暮らすモリーの元に、先住民の脱走犯が現れたことから始まる。同作は1896年に発表した同名短編をもとに、オーストラリアの女優リア・パーセルが製作・監督・主演で映画化。また、同映画祭には監督&プロデューサーの来日が決定している。
チケットは1月27日(土)0:00より劇場HPより座席指定券を購入可能。Aプログラム、Bプログラム:各500円(均一)。オンライン配信チケットは無料となり、日本在住者限定で視聴ができる。
映画という形で紡ぎ続けられている彼ら自身の、文化の物語に触れられる機会だ。
ユーロスペース
所在地:東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F・3F(ユーロライブ)
(hachi)
※一部プログラムは会場のみの上映となる
※一部上映作品には、一部ヌード、 暴力的な表現が含まれているものがある