一時代を築いた名バンドであっても、三十年後、四十年後まで観客を魅了し続けられるグループはそう多くはない。

去る2023年12月27日(水)、バンド「ムーンライダーズ」が東京・EX THEATER ROPPONGIにて懐かしの80年代をフィーチャーしたライブを開催した。ファンの熱狂が伝わってくるようなライブレポートとともに、今後がますます楽しみになるような活動の知らせが届いた。

「80年代のムーンライダーズ」をライブで

1976年のデビューから、45年以上のキャリアを誇る伝説的ロックバンド「ムーンライダーズ」。1986年から約5年間にわたり活動を休止したが、1991年にアルバム「最後の晩餐」で待望の活動再開を果たした。

現在は鈴木慶一氏(Vo,G)、武川雅寛氏(Violin,Trumpet)、鈴木博文氏(B,G)、白井良明氏(G)、夏秋文尚氏(Dr)をメンバーとし、澤部渡氏(スカート)と佐藤優介氏がサポートする。

つねに新しい音楽性を追求するサウンドは後輩アーティストにも影響を与え、新しいファンを獲得している。また、メンバーそれぞれがソロ活動のほか、プロデュースや楽曲提供など多方面で活躍する。

2022年12月にはアルバム「マニア・マニエラ」&「青空百景」完全再現ライブ、2023年12月27日(水)にはBlu-ray、DVD、CDで「moonridersアンコールLIVE マニア・マニエラ+青空百景」を発売するなど折々のテーマを設けながら精力的に活動するムーンライダーズ。

2023年13回目の満月となったコールド・ムーンの夜に「80年代のムーンライダーズvol.1」をテーマとしたライブを開催した。

1980年8月のアルバム「カメラ=万年筆」から、1986年11月の「DON’T TRUST OVER THIRTY」までの期間をフィーチャーしたが、これは代表曲と呼ばれる楽曲が数多く生まれた時期にあたる。

オープニングはアルバム「アニマル・インデックス(1985)」に収められた「悲しいしらせ」。2曲目は6枚目のシングル「エレファント(1981)」で、オリジナル・アルバムには収められてないマニアックな選曲だ。

中盤には「ロシアン・レゲエ」と「渚のアンビエントミュージック」のインストゥルメンタル・ナンバー2曲を披露。

後半は徐々にボルテージを上げ、アグレッシブなナンバーが続いた。演奏には単なる懐古主義ではない新しい要素がつねに加わり、今のサウンド、今の感覚が表現されていたという。

色とりどりのペンライトが光る中、観客全員が大声で口ずさむシーンがあるなど、会場は一体感に包まれた。

全20曲にも及んだ「80年代のムーンライダーズvol.1」コンサートは2時間超で終了した。タイトルに「vol.1」とあることから、「vol.2」が期待される構成だ。

なお、チケットは完売だが1月17日(水)18時30分からは「moonridersアンコールLIVE マニア・マニエラ+青空百景」特別上映会を新宿ピカデリーにて行う。

3月31日(日)17時30分(開場17時00分)からは、東京キネマ倶楽部で鈴木慶一氏とKERA氏によるユニット「No Lie-Sense」のライブを行う。チケットは2F最前列指定席¥9,800(税込)、1F指定席¥6,500(税込)だ。

衰えを知らないムーンライダーズの面々の活躍。2024年も目が離せない。

(SAYA)