コレクターズアイテムとして、あるいは資産保全として人気を誇るイギリスコイン。

英国王立造幣局の公式代理店としてコインを輸入販売するコインパレス社が、2024年版「ソブリン地金型金貨」を発売する。記念コインの定番図柄として世界中で親しまれる「聖ジョージの竜退治」が描かれている。

公式認定ディーラー、コインパレス社

「ロイヤルミント」こと英国王立造幣局は、流通コインや記念コインを含むすべての英国コインを製造する貨幣鋳造の中心機関だ。その歴史は古く、886年、アングロサクソン王国のアルフレッド大王治世下に設立された。

2022年のチャールズ3世の即位に伴い、マーティン・ジェニングス氏による新しいコイン肖像が発表されてからは、チャールズ3世を描いたさまざまな記念コインを発売している。

ロイヤルミントの公式代理店であるコインパレス社は、2012年に神戸で創業。神戸芸術センターの30階に構えるショールームからは、海と山に囲まれた神戸のパノラマを一望できる。

英国コイン関連書籍の出版と翻訳、世界有数のオークションでの入札・出品代行、英国コインをテーマとするレクチャーやワークショップの開催等、多岐にわたってコレクターをサポートする。

イギリスで長い歴史を持つソブリン金貨

「ソブリン」と呼ばれる金貨は、ヘンリー7世の治世下である1489年に初めてイングランドで発行されたコインだ。王の権力を顕示する目的で鋳造が始まったもので、当初はエンジェルや王座に佇む国王などが描かれていた。

その後、1816年にイギリスに金本位制が導入された際は、エンジェルに代わってベネデット・ピストゥルッチ作の名デザイン「聖ジョージの竜退治」を描いたソブリン金貨が登場する。

1984年に発行されたソブリン金貨

1984年に発行されたソブリン金貨

「聖ジョージの竜退治」版のソブリン金貨は、英国貨幣史上、最初の1ポンド金貨として生まれ、115年間にわたって英国貨幣の象徴とされてきた。

特にヴィクトリア女王の治世下に発行されたものや、エリザベス2世の治世下の1982年に発行されたものは、その希少価値の高さから数百万円の値が付けられることもあるという。

今回発行されたのは「地金型コイン」で、商品価格に占める付加価値の割合が低く、地金価格に近い価格で取引される手頃なタイプだ。

主に100年以上前に発行された歴史的価値の高い「アンティークコイン」や、表面が鏡面加工された「プルーフコイン」と比較し、より地金価格に連動した値動きになるとされる。

同社では地金商品のチューブやケースごとの大量購入にも対応するほか、公式ホームページの商品概要から各ラインナップの発行枚数などを確認できる。

目に美しく、歴史的背景と資産価値を持つソブリン金貨。コアなコレクターならずとも一見の価値ありだ。

2024 チャールズ3世 聖ジョージ竜退治 ソブリン地金型金貨
素材:約91.7%Au
発行国:イギリス
発行元:英国王立造幣局

(SAYA)