ブラジル2部降格クラブのサントスは、V・ファーレン長崎と契約更新したファビオ・カリーレ監督を一方的に招へい。長崎から違約金の支払いを求められているが、所属選手の譲渡による回避を狙っている模様。日本ンのファン・サポーターからは国際サッカー連盟(FIFA)での裁判に発展する可能性も指摘されている。
カリーレ監督を巡っては、長崎は今月5日に声明を発表。「今月5日現在まで契約に関する正式な手続きを再三求めているものの、未だにオファーレターも届いていない状況」と現状を説明した上で、「我々としては、今後の日本サッカー界のためにも一方的に契約を破棄したことによる違約金に関しては支払いを求めるべきだと考えております」としている。
しかしサントスのマルセロ・テイシェイラ会長は8日、ブラジルメディア『グローボ』のインタビューで「違約金の発生は知らなかった」と語っており、長崎側の声明内容に真っ向から対立。今月中にクラブ幹部を日本に派遣する方針も打ち出していた。
そんな中、『グローボ』は10日になって「サントスは長崎の求める違約金の一部を支払うことに同意。一部選手の利用して違約金の引き下げ、13日までに問題を解決したいと考えている」とリポート。これによると、サントスの2024シーズン構想から外れている9選手が長崎への譲渡要員であるとのこと。この中には、かつてブラジル代表で背番号「10」を着用し、昨年に柏レイソルからの関心が報じられたMFルーカス・リマも含まれているという。
またブラジルメディア『UOL』によると、長崎の求める違約金額は150万ドル(約2億1000万円)であるとのこと。『グローボ』は「結局のところ、V・ファーレン長崎は日本の2部(J2リーグ)で戦っており、世界中の他のクラブと比べて知名度が低い」と、やや上から目線の論調を展開している。
なおブラジル国内での報道内容は、X(旧ツイッター)上で話題に。「サントスはずるい」「長崎は絶対に応じてはダメ!」「サントスから選手要らないよ」「違約金全額支払ってもらうべき」などとサントスに対する批判が沸き起こっているほか、「FIFAで裁判沙汰になりそう」「長崎はCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えよう!」といった声も上がっている。