エジプトの自動車部品のマーケットプレイスを提供する「Mtor」が、プレシード資金調達ラウンドで280万ドルを調達した。この資金は、エジプトに焦点を当てたベンチャーキャピタル会社であるAlgebra Venturesが主導し、その他の投資家も参加している。
自動車部品業界への革命を目指す
Mtorは、Mohamed Maged氏がドイツの自動車業界での経験を活かして2022年4月に設立。自動車部品業界に“革命”を起こすことを目指している企業だ。Maged氏は以前、B2B向けの電子商取引市場であるMaxABで、事業拡大責任者を務めた経歴を持つ。
自動車アフターセールスの市場規模は50億ドル以上
エジプトの自動車アフターセールス市場は、アフリカ地域で最大規模の市場の一つである。その規模は50億ドルを超えるという。
現在、約800万台の車両が老朽化しているため、自動車所有者は年間平均600ドル以上を35,000の整備工場やサービスプロバイダーに費やしている。これは、エジプトの自動車アフターセールス領域にビジネスチャンスがあることを明らかにしている。
Maged氏、CTOのKhaled Kandil氏、COOのMohamed Altaf氏、戦略担当副社長のMoaz El Megharbel氏が率いるMtorは、最初は近くの作業場にスペアパーツを提供し、物流を改善することに集中していたが、徐々に活動を拡大し、現在では多くの現地サービスプロバイダーと協力関係を築くことに成功している。
業務効率の課題に対応
Maged氏は、自動車部品のサプライチェーンや自動車のアフターマーケットの業務の効率性や断片化に対して課題を感じていたという。
具体的には、世界的なサプライヤーが地元の工場やサービスプロバイダーについての知識が不足しているがために、業務が非効率になっていること目の当たりにしたとのこと。
特にエジプトではスペアパーツを多く製造していないため、流通や新製品ラインアップで課題が存在していた。
そこでMtorは、不正確な情報、物流上の障害、部品の入手可能性、価格の透明性などの問題に取り組み、これらの地域の工場が直面する課題に対処。同社は、価格が2〜3倍高い正規ディーラーと、予算に優しい代替品を提供する地元の整備工場との間で板挟みになっている自動車所有者の溝を埋めることを目指している。
特に地元の工場で潜在的な品質上の懸念があるなか、Mtorはこれらの工場と輸入業者を直接結びつける仲介役として、技術プラットフォームを活用しているという。