メイン「今年の1台」を選ぶ祭典。私の基準は運転が楽しく安全で、所有してワクワクするクルマ
2023年11月3日、ジャパンモビリティーショー(JMS)の特別ステージで、2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)、10ベストカーが発表されました。2023年に発売&モデルチェンジされたクルマから、今年を代表する1台を決めるCOTYの前哨戦です。私は、発表会の司会を任されたのですが、自分以外の選考委員の投票内容を知らなかったので、ドキドキして臨みました。
今回から10ベストカーは、60人の選考委員が、ノミネートされた34台から、どの10台を選んだかを、公表する方式になりました。発表セレモニーでは、それぞれの選考委員が選んだ10台がモニターに映し出されます。セレクトには個性が出ますので、見ていてさまざまな発見があります。それぞれの選考基準も併記され、選考の透明性はこれまで以上に確保されたのではないでしょうか。私はといえば、「運転が楽しく安全で、所有してワクワクするクルマ」という選考基準を書きました。

今回選ばれた10ベストカーはSUBARUクロストレック、トヨタ・アルファード/ヴェルファイア、トヨタ・プリウス、日産セレナ、ホンダZR-V、三菱デリカミニ、アバルト500e、BMW・X1、マセラティ・グレカーレの10台。
私が選んだ10台の中で、10ベストカーとなったのは5台。選考委員は、自分が選んだ10台と実際に選ばれた10台を比較して「何勝何敗」という表現をするのですが、私は5勝5敗でした。平均は7勝3敗ぐらいとか。毎回、勝率が低いのが特徴です(笑)
私は運転がすべてなので、ミニバンでも運転が楽しいか、自分の運転にリアルに反応してくれるか、が大切な選考基準になります。ちなみに「運転が楽しいと、安全につながる」というのが私の持論です。運転が楽しいクルマは眠気に襲われません。
私が選んだ10ベストカーの中で、残念ながら落選したのは、BMW・M2、同XM、プジョー408、BYDドルフィン、EQS・SUVでした。M2はおそらく最後のエンジン+MTの組み合わせで、実際に走ってパフォーマンスが素晴らしかったので投票。XMは650psのハイパワーで巨大かつ重いのに、実質20km/リッターの燃費も可能、という非現実感を評価。プジョー408はデザインと実用性、PHVモデルは燃費もいいというマルチな魅力にひかれました。BYDドルフィンは価格に対して航続距離、パフォーマンス、装備、デザインが優れていた点を評価。EQS・SUVは、ブレーキのタッチに難があるものの、クラス唯一のBEVで、高い完成度に対して票を投じました。


私の選択と同じだった10ベストカーの評価ポイントも紹介しておきましょう。プリウスは、走りや燃費、インテリアなど、中身に関しては手放しで賛辞を送れませんが、エクステリアデザインは、感服でした。
ミニバンでもセレナにはワクワクしました。インパネが先進的で見ているだけでも所有感を満足させられる場合もあるのだな、と思いました。ただしプロパイロット2.0が一部のグレードにしか装備できないのは残念。ZR-Vはプリウスと逆で、走り、燃費、インテリアの質感に関しては非の打ちどころがありませんが、エクステリアデザインだけはやや不満。もう少しシャープにならなかったのか。個人的には、外観以外は満点です。


アバルト500eは首都高速のコーナを走っているときにBEVならではの低重心と、十分以上の動力性能にしびれました。価格にもしびれますが(笑)、BEVの可能性を感じました。BMW・X1は日本でもちょうどいいサイズながら、室内は広くなり、とくにディーゼルモデルは力強さと燃費が高次元で両立。ADASなどの運転支援、安全性能も抜かりなく、正に、これ1台で幸せになれるクルマとして選びました。

さて、11月22日の10ベストカー取材会を経て、12月7日には、いよいよ今年の1台。日本カー・オブ・ザ・イヤーが発表されます。選考委員ではありますが、ひとりのクルマ・マニアとして大いに楽しみです。