新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃、世界各地で怪しげな民間療法が流行ったことはあまり知られていない。インドでは2020年3月、ヒンドゥー教の活動家数十人が牛の尿を飲むパーティーを開催した。ヒンドゥー教では牛が神聖な動物とされ、その尿は万病に効く特効薬と考えられているため、一部の信者たちはウイルスから身を守る目的でパーティーに参加した。一方、牛の尿の効用を否定する声もあり、こうした民間療法に対する議論が巻き起こっている。

 民間療法を信じるのは個人の自由だが、重症患者が民間療法に頼ると命に関わりかねない。そんな恐ろしい現実を医学メディア「MEDizzy」から紹介しよう。

 肉が失われて骨が剥き出しになっているのは、23歳の女性患者の左脚である。末梢動脈疾患(PAD)によって壊疽を発症した結果、このような状態になったという。

 PADとは、足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり詰まったりして、十分な血液が流れなくなる病気である。歩行時にしびれや痛みなどを感じるようになり、症状が進行すると歩けなくなり、さらには腫瘍ができたり、組織が壊死したりする。一般的には糖尿病や高血圧といった生活習慣病が原因で引き起こされる。

 患者は当初、病院での治療を拒否して、“心霊治療”を行う教会に4カ月間通い続けた。しかし、感染症が悪化し、細菌に膝から下の組織を食い尽くされてしまった。骨だけの脚になった彼女は病院を再び訪れたが、もはや手遅れだった。

 この画像の解説では、心霊治療を含む民間療法を完全否定しないものの、感染症の類には全く効果がないと書かれている。多くの人々が感染症の治療で民間療法に頼るが、精々苦痛を和らげる効果しかなく、病気の原因である細菌を排除できないため、症状を回復させることはできないという。

 壊疽した左脚の画像は、病気やけがの治療として民間療法を選択することのリスクを物語っている。最近はSNSなどで「〇〇が病気に効く」という噂をしばしば目にするが、これらの噂を信じるべきかどうか、画像を眺めながら改めて考えてもらいたい。

(文=標葉実則)

※無修正の画像は「MEDizzy」にてご覧いただけます。

参考:「MEDizzy」ほか

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提供元・TOCANA

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