マチェイ・スコルジャ氏は、浦和レッズをAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝、FIFAクラブワールドカップ4位に導いたが、2023シーズン限りで浦和監督を退任。浦和でコーチとしてスコルジャ監督を支えていたヴォイテク・マコウスキ氏が、指揮官退任の背景を語っている。
スコルジャ氏は2006年にポーランド代表のアシスタントコーチとしてドイツW杯に参戦したほか、2014年9月から2015年10月、2021年4月から2022年6月と2度にわたりレフ・ポズナンを指揮。2021/22シーズンにポーランド1部リーグ優勝後にレフ・ポズナン監督を退任すると、数カ月の休養期間を経て浦和の指揮官に就任していた。
そして浦和でも確かな手腕を発揮。2022/23シーズンのACL優勝を成し遂げたほか、J1リーグでは横浜F・マリノスやヴィッセル神戸と上位争いを展開。YBCルヴァンカップでも決勝まで勝ち上がり、先月開催のクラブW杯では北中米王者のクラブ・レオンを下していた。
マコウスキ氏は今月はじめ、ポーランドの公共放送局『ポーランド・テレビ』のインタビューに応じた際、「日本での1年間に満足したか」と問われると、「チーム全体のプレーはかなり向上した。J1で最も失点が少なかったクラブだった。攻撃面では自陣で強引にプレーするのではなく、ライン間や相手の背後を狙うプレーを早くしてほしかった。この面では進歩したと思う」と、戦術面での改善を図ることに成功したとの認識を示す。
その上で「キャスパー・ユンカー、江坂任、松尾佑介と攻撃のキーマンがチームを離れたにもかかわらず、何とかなった。もちろんホセ・カンテが加わったが、彼は加入当初から完全に準備できたわけではなく、本来のパフォーマンスを取り戻すのに時間が必要だった。しかし、移籍という点で我々はもっと期待していた」と、浦和の補強に言及。
またスコルジャ監督が退任を決断した時期については「浦和幹部は、スコルジャ監督が結果を出しながらチームを率いていることに満足していた。彼らは協力関係を継続したかったが、監督はシーズン後半で契約を延長しないと決めていた」と語っている。
浦和は昨年夏にMF中島翔哉やMF安部裕葵、タイ代表MFエカニット・パンヤなどを獲得したが、大物ストライカーの獲得はなかった。スコルジャ監督の思いと、同クラブの補強方針との間に相違があったかもしれない。