かつて東京ヴェルディやアビスパ福岡、カターニャなどでプレーしていた元日本代表FW森本貴幸は、今年はじめにイタリア4部SSDアクラガスを退団。本人が同クラブでデビューできなかった理由を明かしている。
森本は昨年8月20日にアクラガスへ加入。およそ10年ぶりのイタリア復帰で注目を集めていたが、一度もプレーすることなく退団。イタリア4部所属クラブの情報を扱う現地メディア『セリエD 24』は先月、森本がアクラガス所属選手として一度もピッチに立っていない理由について「ビザをはじめ行政面の手続きで問題を抱えている」と伝えていた。
またアクラガス元会長であり、今も同クラブを支えるジュゼッペ・デニ氏は先月末、森本について「我々は法外な値段の航空券を与えて彼を日本へ送り返した。彼は今日本にいる。しかし今日に至るまで、地元警察と大使館はこう着状態だ。一方が他方に責任を与えているし、その逆もまた然りだ。来年1月の第1週までに何も解決しなければ、我々はもう何もしない。彼が再びイタリアに戻ることができる確率は50%だろう」と、シーズン途中で契約解除の可能性に言及していた。
アクラガス退団を受けて、森本本人は今月5日にX(旧ツイッター)を更新。「セリエDはセミプロリーグで選手としてのビザが発行されず、アクラガスはあの手この手を尽くしてくれましたが出来ませんでした」と、ビザが発行されなかった理由を説明した上で、「10年振りシチリアでのプレーは叶いませんでしたが、今回また出会えた人達に感謝しまた新たなチャレンジをしたいと思います」とファン・サポーターに誓った。
なお森本はかつてカターニャやノヴァーラ在籍時にセリエA(イタリア1部)で6シーズン以上プレー。カターニャ退団後はUAEアラブ首長国連邦のアル・ナスルやジェフユナイテッド市原・千葉、川崎フロンターレ、福岡に在籍。2020年9月に福岡を契約解除により退団した後は、ギリシャ3部のAEPコザニ、パラグアイ1部のスポルティボ・ルケーニョ、台湾社会人甲級サッカーリーグ所属の台中FUTUROと渡り歩いていた。