エサとなる魚が掛からない
釣行前から嫌な予感はしていたが、いざ竿下サビキ釣りを始めてみたものの、全くの無反応の時間が続いた。11月下旬までは小アジが掛かっていたのだが、さすがに12月ともなれば、小アジの群れは遠のいてしまったようだ。
代替となりうるイワシや小サバも全く気配がない。タナを変えてみても状況は変わらず、竿先は全く変化を見せない。
活きエサが確保できなければエレベーター釣法はスタートできない。しかし、ここは武庫川一文字。窮地には陥らなかった。有難いことにこの時期、武庫川渡船がエレベーター釣法とウキ流し釣法によるノマセ釣りの活きエサとして小アジを仕入れていて、船着き場での船上出張販売サービスを行っていたのだ。
5番の船着き場に7時過ぎの便が着くと、私を含め10人近くが海水バケツを手にして、船上で活きアジを買い求めていった。
数多く買ってもかえってストレスで魚は弱ってしまうので、私が買ったのは3匹にとどめ、即座にエレベーター釣法の活きエサとして投入。7:20頃、ようやく青物狙いのスタート地点に立つことができた。
フォールで食いつくもハリス切れ
仕掛けを投入してしばらく無反応だったので、一旦引き上げて沖の遠目に活きアジを再投入した。この試みが的中。仕掛けが落ち着く前のフォール(沈んでいく途中)でガクガクっと竿先が引き込まれた。来た!と竿を手に持ち、リールのベールを倒すと、ミチイトはパラパラと出ていく。
よしよし!と気持ちが昂ったところで、ミチイトの出が止まってしまった。慎重に巻き上げるが反応がない。仕掛けを上げてみると、親針、孫針ともに無くなっていて、スパッとハリスは切られていた。サゴシ(サワラの幼魚)の鋭い歯の仕業だ。
過去の釣行での悪夢がまたしても再現。食いつく魚は選べない。悔しい思いは割り切って捨てて、朝の時合いを逃すまいと、スペアの仕掛けに付け替えて、活きアジを刺して再度沖に送り込んだ。
第三のフィッシュイーターが登場
この日、周りの様子は今年一番の激渋状況。一番人気を誇ってきた5番の船着き場付近は、サビキもルアーも壊滅状態。エレベーター釣法で釣れたのはエソだけと、波止上の釣り人たちは浮かない表情ばかり。
そのような中でも私は先ほどアタリがあった、その事に一途の望みを託して竿先を注視していると、リベンジのチャンスが訪れた。またもガクガクっと竿先が引き込まれた。今度こそとリールのベールを倒すと、道糸は勢いよく出ていく。今度はその勢いは止まらない。
横走りの気配を感じたので、竿を振り上げアワせるとヒット。リールのドラグ調整をして戦闘開始。隣の親子連れにはひと声かけて仕掛けを上げてもらい、周りの視線を浴びながら魚を手前に寄せていく。ところが海面で一度バシャって銀色の魚体が跳ねたのを見てガックリ。