浦和レッズは2023シーズン、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)やFIFAクラブワールドカップなど、複数のコンペティションを並行する中で公式戦60試合を戦った。一部からは選手の負担考慮を求める声が上がる中、マチェイ・スコルジャ前監督の右腕であるヴォイテク・マコウスキ氏が、日本とポーランド両国の試合日程を比較。ACL優勝後に祝勝会が無かったことにも言及した。
浦和はJ1リーグで終盤までヴィッセル神戸や横浜F・マリノスなどと上位争いを繰り広げたほか、YBCルヴァンカップで準優勝。天皇杯こそ4回戦で敗退したが、2022/23シーズンのACL決勝アル・ヒラル戦では、激闘の末に2試合合計2-1で勝利。2023/24シーズンのACLではグループステージ敗退という結果に終わったが、先月開催のクラブW杯ではクラブ・レオンを下すなど、アジア王者としての実力を世界に見せつけた。
多くのコンペティションでタイトル争いを繰り広げていただけに、終盤戦では満身創痍に。2023シーズンの60試合目であるクラブW杯3位決定戦ではアル・アハリに2-4で敗れたが、チーム全体の動きが重かっただけに選手の疲労蓄積を心配する声も上がっている。
2023シーズンに浦和でコーチを務めていたマコウスキ氏にとっても、1シーズンでこれだけ多くの試合を消化した経験が無い模様。同氏は今月はじめ、ポーランドの公共放送局『ポーランド・テレビ』のインタビューで以下のようなコメントを残している。
「ポーランドのサッカーだと、休みが長い。(浦和の場合は、)昨年1月からクラブW杯のアル・アハリ戦までオフは1度だけだった。7月に7日間の休養が与えられたが、(休みがほとんどないことは)日本文化では普通のリズムだ」
「もちろんこのような試合日程によって疲れが出た選手もいたが、全員が100%のパフォーマンスを見せてくれた。ただそれでもコンディション回復が難しく、我々はこの問題に対処しなければならなかった」
コンディション調整という観点で頭を悩ませていたことを明かしたマコウスキ氏は、5月6日に埼玉スタジアムで行われたACL決勝2ndレグのアル・ヒラル戦後に祝勝会が実施されなかったことも告白。「個人的な意見だが」と前置きした上で、「祝勝会を行わなかったことは、日本文化や日本人の性格、仕事に対する向き合い方と関係している。数日後にはまたピッチに出て、次の試合に向けてベストを尽くさなければならないということを、誰もが頭の片隅に置いているんだ」と語っている。