あえて自社の券売機の使いにくさを強調

 そんな松屋が、前述のとおり、あえて自社の券売機の使いにくさや不便さを強調するかのようなイラストや「お席で、スマホで、簡単注文 松屋モバイルオーダー」などの文言で「松屋モバイルオーダー」の利用を促す掲示物を設置。「松屋でこんな経験ありませんか?」と書かれ、行列ができた券売機のイラストに「お昼時の渋滞にイライラ」「操作に迷ってドキドキ」といった文言が添えられ、行列に並んでイライラする客が「も~休憩時間が終わっちゃうよ」とつぶやいたり、困惑した表情で発券機を操作する客が「どうしよ、あっ 後ろの人にらんでる」とつぶやくシーンも描かれている。

 前出・重盛氏はいう。

「座席や店舗外には松屋モバイルオーダーの利用を推奨する掲示物が貼られており、券売機の仕様変更よりも客のアプリ利用の促進に力を入れているように思われる。松屋のすべての客層がスマホを自在に利用できるわけではない。幅広い世代を自社の顧客層だと認識しているのであれば、券売機の仕様変更は急務だ」

 外食チェーン関係者はいう。

「松屋としては純粋に『発券機よりモバイルオーダーのほうが便利ですよ』ということを訴えたいがために、このような内容の掲示物をつくったのだろうが、暗に発券機の利便性の悪さを認めてしまっていることからも、松屋にとって発券機は『厄介なお荷物』なのだろう。発券機のハードウェアは松屋独自のものと思われ、その購入・維持費やシステムの開発・メンテナンス費用はかなり高く、維持していく手間も面倒。できる限り客からの注文をモバイルオーダー経由に以降させ、発券機の稼働台数を減らしたいと考えるのは当然」

(文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

提供元・Business Journal

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