プレミアリーグ(イングランド1部)アストン・ビラ所属DFパウ・トーレスは、2021年にU24スペイン代表の一員として東京五輪に出場。MF久保建英(レアル・ソシエダ)ら擁するU24日本代表とも対戦したが、食事面で抱えた問題を振り返っている。
MFペドリ(バルセロナ)やMFマルコ・アセンシオ(パリ・サンジェルマン)らを擁したスペインは、エジプト、アルゼンチン、オーストラリアと同居したグループリーグで1勝2分。グループ首位で決勝トーナメントに進出すると、決勝トーナメント1回戦(準々決勝)で延長戦の末にコートジボワールを撃破。準決勝では日本代表相手に苦戦も、アセンシオの決勝ゴールにより1-0で撃破。ただ決勝でブラジルに敗れ、金メダル獲得を逃した。
グループリーグと決勝トーナメントあわせて全6試合でフル出場したトーレス。8月7日に決勝を戦った後、当時の所属先であるビジャレアルから休養期間を与えられたことにより、ラ・リーガ(スペイン1部)開幕から3試合続けてメンバー外だった。
それでも本人はスペインメディア『Relevo』のインタビューで、「東京五輪では中2,3日で試合をこなしたし、全試合でプレーしたからコンディション調整が大変だったよ。それに食事もアスリートにとって良いものとは言えなかった」と苦悩を告白。東京五輪開催中の食事について、以下のようなコメントを残している。
「選手村の食堂にはビュッフェもあったから、(栄養のバランスを)意識して食事することはできた。ただサッカー選手の場合、選手村には開幕から4,5日しか滞在しなかった。その後は移動がほとんどで、大会組織委員会が用意したホテルで食事することが多かった。ホテルは大会組織委員会が指定し、スペインサッカー連盟や代表チームには(滞在するホテルを選ぶ)権限がなかったね」
「我々の栄養士は(選手の栄養バランスを)少しは気にしていたが、ホテルに1週間滞在したとしたらサラダには3つの食材しか入ってなかったり、昼食や夕食は毎回同じものだった。ホテルごとに慣れる必要があったんだ」
「(足りない栄養は)スペインサッカー連盟が用意したサプリで補っていたけど、アスリートにとって理想的な食事とは言えなかったね。他の種目のアスリートがどうだったのか知らないけど、サッカー選手はみんな似たような感じだった。ホテルで毎回『また同じメニューか。仕方ないね』と、みんなで笑いながら話していたのを覚えているよ」
スペイン代表はグループリーグ2試合を札幌ドームで戦った後、埼玉スタジアムへ移動して強豪アルゼンチンと対戦。準々決勝のコートジボワール戦は宮城スタジアムで戦い、その後の準決勝と決勝は関東圏での試合だった。
なおトーレスのコメントは、X(旧ツイッター)上で拡散。日本のサッカーファンから大会組織委員会に対する批判が相次いでいるほか、トーレスに対する謝罪のメッセージも多く見られる。