アートイベント「CURATION⇄FAIR(キュレーションフェア)」の第1回目として、「CURATION⇄FAIR Tokyo」が東京都の九段で開催となる。

会場は登録有形文化財の「kudan house」で、期間は2024年2月21日(水)〜3月11日(月)。展覧会で観て、フェアで買う、新しいアート選びを体感しよう。

アートイベント「CURATION⇄FAIR」

「CURATION⇄FAIR」は、気鋭のキュレーターによる展覧会で作品の社会的意義を読み解き、厳選されたギャラリーが出展するアートフェアで作品をコレクションすることを楽しむアートイベントだ。

「どんな作品を選んだら良いか」という利用者の声に寄り添い、さまざまな意見交換と交流の場を創出する。

「時間」を軸とした「CURATION⇄FAIR Tokyo」

「CURATION⇄FAIR」の第1回の開催となる今回は、「CURATION⇄FAIR Tokyo」として「時間」を軸に企画。

2月21日(水)〜3月3日(日)は展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」、3月9日(土)〜3月11日(月)はアートフェア「Art Kudan」という二部構成だ。チケット販売日はどちらも1月中旬を予定している。

「時間」とは、まるで同時に無数に世界に存在し、むしろそれぞれの「時間」と共に変化する現実同士の関係が世界を織り成している。そして、作品によってその現実を顕在化するアーティストも、鑑賞者も世界に対しては同じ地平に立つ観測者といえる。

そこで、同企画ではアーティストの現実を顕在化した作品を通し、“異なる観測者の視点の間=無限に存在する時の間”に成り立つ複雑な世界をより鮮やかに知覚するためのきっかけを提供。古今のアートと社会学、物理学などさまざまな分野の交流の場となることを願い、開催されるという。

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」

1968年、川端康成氏はノーベル文学賞受賞に際し、「美しい日本の私」という講演を実施。その26年後、同賞受賞を果たした大江健三郎氏は、川端氏の主題を引き継ぎ、その講演の題を「あいまいな日本の私」とした。これらは対比をなしながら、日本の美や芸術の特質を捉えた優れた日本文化論として読み継がれている。

展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」では、彼らの文化論を現在の日本美術の状況へと重ね合わせ、さらにその先へと向かう試行を展開するものだ。そして、古美術から近現代美術、デジタル・アートに至るまで、あらゆる作品が織りなす複合的な「時間の層」から、人々の生を照らす急進的な芸術の在り方を導き出していく。

なお、シニアアドバイザーとして山本豊津氏、キュレーターとして遠藤水城氏が参加する。

シニアアドバイザー・山本豊津氏

シニアアドバイザー・山本豊津氏

キュレーター・遠藤水城氏

キュレーター・遠藤水城氏

アートフェア「Art Kudan」

アートフェアのテーマは「時所望」。茶室で花入に四季折々の花を入れる楽しみを茶室の利用者に譲るという、茶道の作法「花所望」を由来としている。

古美術から近代、そして現代アートなど、国内の厳選された質の高い作品を展示・販売。鑑賞だけでは得難い「アートの世界に参加する」というインタラクティブな体験を提供する。