グローバル規模の地図・ロケーション技術の専門企業トムトムは、2023年12月19日、マイクロソフトと協業し、世界の自動車業界向け生成AIを開発したことを発表した。
トムトムは2016年にマイクロソフトとの協業を開始し、アズール・マップに位置情報を提供してきた。その後両社は、マイクロソフトのファーストパーティマップの地図データとサービスに向けて提携を拡大した。両社の協力関係はさらに進化し、現在は自動車向けソリューションで協業している。
AIを活用したジェネレーティブな自動車向けソリューションのイノベーションを推進し、クラウド分析を活用した車載デジタルコックピットとインフォテインメントソリューションを開発しているのだ。
トムトムは今回、マイクロソフトのAI分野における進歩を活用し、乗用車用のインフォテインメント、位置検索や車両操作コマンドシステムとの、より高度な音声対話を可能にする完全に統合された会話型自動車向けAIアシスタントを開発した。
これにより、ドライバーはクルマと自然に会話し、AIアシスタントに特定の場所へのナビゲートやルート上の特定の停留所の検索を依頼したり、車載システムを音声で操作して空調を設定したり、窓を開けたり、ラジオ局を変更したりなどを、すべて1回の会話で操作することができる。
このソリューションは、マイクロソフトのアズール関連の各種技術サービスに加えて、大規模言語モデル(LLM)を活用し、マイクロソフト アズール オープンAIサービスを統合している。
この音声アシスタントは、他の自動車インフォテインメントシステムに統合することができ、これにより自動車メーカーは、自社のブランディングとドライバー体験を保ちつつ、カスタマイズ可能なインターフェイスの市場投入までの時間を短縮することができるのだ。このソリューションは、オープンモジュール式の車載インフォテインメントプラットフォームであるトムトム・デジタル・コックピットにも組み込まれている。
トムトムの 事業収益責任者のマイク・スクーフス氏
「トムトムがマイクロソフトと共有するビジョンは、生成AIでイノベーションを推進し、さらに優れたソリューションをお客様に提供することです。トムトムのナビゲーションとテクノロジーの専門知識を活用し、人々が車と対話する画期的な新しい方法を創造します。両社が得意とするものを1つのソリューションに統合することで、ドライバーは車に何でも尋ねることができ、車はそれを実現してくれると信じることができるようになります」と語っている。
マイクロソフトの自動車業界担当のドミニク・ウィー副社長
「私たちは、トムトムとの長年にわたる協力関係を基盤に、マイクロソフトのクラウドにおけるAIの進歩とトムトムの自動車に関する専門知識を融合させ、ドライバーと自動車メーカーにAIを活用した新しいツールを提供します。この統合により、自動車メーカーは独自のブランドアイデンティティを保ちながら、高度に差別化されたユニークなコックピット体験を提供できるようになります」と語っている。
なお、トムトムは、2024年1月9日〜12日にラスベガスにて開催される「CES 2024」に出展する。会話型AIのデモンストレーションや、トムトムが現在マイクロソフトと共同で取り組んでいるその他のプロジェクトについて紹介する。また、マイクロソフトのブースでもトムトムの会話型AIソリューションを体験することができる。
提供・AUTO PROVE
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