② 2024年連邦議会議員選挙

2024年上院選では共和党は50議席確保の見込み

院議員の任期は6年で、だいたい議員100名のうち3分の1が再選挙となる。ただ、その年によって3分の1の議員の党別の内訳はかなり偏っているのだ。2024年でいえば、共和党で再選挙となる議員はたった11名なのに対して、民主党は20名、無所属(といっても民主党と連携している)3名が再選挙となる。

なので、基本的には2024年総選挙は民主党が極めて不利な状況だ。共和党が50議席確保できることはほぼ規定路線であるが、そこからどこまで追加できるかが勝負だろう。今年民主党から無所属に変更したAZ州シネマ議員・MT州の民主党テスター議員・OH州民主党ブラウン議員が接戦となっているため、民主党は3席の議席を失う可能性がある。とはいえ、 テスター議員・ブラウン議員は既に2期務めており3期目を目指すことになる。接戦というほど、そうならない気もしている。

一方で、問題なのはAZ州だ。AZ州は現職のシネマ議員が今年に民主党を離党したことで、民主党候補者(現職下院議員の Ruben Gallego氏)・共和党候補者(AZ州知事に立候補したKari Lake氏)・無所属で現職のシネマ議員の3人で競うことになる。

先ほど述べたOH州ブラウン議員・MT州テスター議員が無事に議席を死守できれば、共和党が51議席をとれるか、50vs50で副大統領の1票で勝利となる民主党が勝利になるかの勝負となる。AZ州上院選は過去最高の選挙資金が集まることになるのではないだろうか。両党とも負けられない戦いになるだろう。

2024年下院選は引退議員が相次ぎ、接戦になる

上院と異なり、下院議員は2年ごとに選挙を実施する。

年内でマッカーシー元下院議長が引退し、マクヘンリー議員は2024年総選挙で再選を目指さないと先日発表した。民主党下院議員の引退宣言も相次いでいる。共和党下院議員の引退表明は10数名なのに対して、民主党議員21名の下院議員が今期限りで引退を表明した。長年シリコンバレー地区の下院議員だったエシュー議員 などベテラン民主党議員引退が相次ぎ、更にプログレッシブコーカスが勢いを増すことになるだろう。

また、忘れてはいけないのがゲリマンダーの訴訟状況だ。先日はTX州の選挙区割りについて最高裁が介入しなかったので、共和党に有利な状況となった。

下院選挙はゲリマンダで決まるといっても過言ではないので、その進捗は追ってまた書くとする。

【参照記事】

Cornel West roasts Dems as ‘spoiler’ polls roil the left: Neither party holds ‘ownership’ of the voters The expensive, daunting fight to get RFK Jr.’s name on state ballots Early History of the United States Green Party, 1984-2001 McHenry, who served as interim speaker, will not seek another term Eshoo, longtime Silicon Valley lawmaker, announces plans to retire Supreme Court Hands Texas Republicans Huge Win

編集部より:この記事は長谷川麗香氏のブログ「指数を動かす米議会」2023年12月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は「指数を動かす米議会」をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

【関連記事】
「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
大人の発達障害検査をしに行った時の話
反原発国はオーストリアに続け?
SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
強迫的に縁起をかついではいませんか?