1月19日(金)、屋根や外壁などの板金を手がけるウチノ板金の工芸品ブランド「和國商店(わくにしょうてん)」が、東京・東村山市の青葉商店街に新店舗をオープンする。

同店のデザイン監修を行ったのは、隈研吾氏が率いる隈研吾建築都市設計事務所。神社の屋根で使用されていた緑青銅板を再利用した外壁など、隈研吾氏のデザインとウチノ板金の技術を掛け合わせた店内外の造りに注目だ。

板金技術を活かした工芸品ブランド「和國商店」

「和國商店」は、ウチノ板金の技術を活かすことで生まれた工芸品ブランドだ。

同ブランドの板金の折鶴は海外のファンも多く、2022年からはフランス・ドイツの学校や大使館をはじめとする公的機関、そして国内では代官山蔦屋書店でも板金折鶴製作のワークショップを開催。日本文化・板金技術を国内外に伝える活動を行っている。

また、フランス人作家とコラボレーションした壁掛けオブジェは、海外のレストランからもオーダーが入るほどの人気だ。

新店舗は隈研吾氏のデザインと板金技術が光る

和國商店の店舗を作るというプロジェクトは、ウチノ板金の代表である内野友和氏が「自身が幼少期を過ごした青葉商店街の文化を生かして、地域のさまざまな課題を解決したい」という想いのもと、隈研吾氏に話を持ちかけたところから始まった。

外壁の緑青銅板は、広島県廿日市市の速谷神社の屋根で60~100年前から使用されていたものを回収し、板金職人の手で形を変え再利用。また、高速緑青生成技術を駆使した人工緑青銅板も組み合わせ、印象的な外装に仕上げた。

屋外に置かれる椅子は旧国立競技場で使用されていた座面を再利用し、隈研吾氏がデザインしたもの。椅子の脚部分には人工緑青銅板を使用し、板金職人とのコラボレーションを表現している。

店内の壁は、板金職人が手加工した真鍮の作品を際立たせるよう黒漆喰で仕上げた。キッチン・ランプシェード・シンク・巾木など、細部の板金は真鍮板で彩り、板金職人のものづくり精神と遊び心を際立たせている。

店舗で振る舞うコーヒーは、岡山県のキノシタショウテンの焙煎士が海外のコーヒー農園に直接出向いて厳選したスペシャルティーコーヒー。和國商店オリジナルブレンドコーヒーも販売し、訪れる人に特別なコーヒータイムを提供する。

人と人との繋がり、そして地域の伝統を「和國商店」を通じて感じたい。

和國商店
所在地:東京都東村山市 青葉商店街内

(IKKI)