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 シンガポール大手新聞『ザ・ストレーツ・タイムズ』によると、シンガポールサッカー協会(FAS)は次期代表監督の有力候補として、元マンチェスター・ユナイテッドの名選手であるポール・インス監督(56歳)をリストアップした。前ベトナム代表の韓国人パク・ハンソ監督も候補となっていたが、シンガポール代表を率いることに乗り気ではなく、席を譲ったとされている。

 インス監督は、日本人の西ヶ谷隆之監督の後任としてシンガポール代表監督に就任する見通し。西ヶ谷監督率いるシンガポール代表は、FIFAワールドカップ・アジア2次予選のグループC第1節で韓国に0-5、第2節でタイに1-3で敗れて同組最下位。同組には難敵の中国もいるため、突破は絶望視されている。1次予選ではアジア最弱のグアムに苦戦を強いられており、監督に対する信頼が大きく揺らいでいた。

 FASは2次予選での連敗後、次期監督候補をリストアップ。その多くが日本人指導者だったとされるが、その他の候補としてハンソ監督とインス監督の名前も挙がっていた。シンガポールは伝統的にイングランド式のキック・アンド・ラッシュ戦術を採用しているため、本場イングランド出身のインス監督は最も合理的だと考えられており、ファンは新監督のもとで東南アジアの古豪が力強く復活することを願っている。

 インス監督は現役時、1986年にウェストハム・ユナイテッドでプロデビュー。その後マンチェスター・ユナイテッドで中心選手として長く活躍した。セリエAのインテルを経て、1997年にリバプールに移籍してプレミアリーグ復帰。ミドルズブラやウルヴァーハンプトン・ワンダラーズなどを渡り歩き、2007年に引退。イングランド代表選手としては53試合に出場した。引退後は指導者に転身し、イングランドの7クラブを率いているが、ここまで目立った実績は残していない。