現代アート作家、池内信介氏の作品を中心に展示販売を行う「435 Gallery(フォーサーティーファイブ ギャラリー)」は、スイスの建築家Pierre Jeanneret(ピエール・ジャンヌレ)と池内氏のコラボ作品の展示を開始した。
彫金作家であり、現代アート作家としても活躍する、池内氏の世界を堪能してほしい。
スイスの建築家でコルビュジエの従兄弟、ジャンヌレ
ピエール・ジャンヌレは、1896年生まれのスイスの建築家。ル・コルビュジエとは従兄弟にあたり、コルビュジエの重要なパートナーとして事務所の建築実務を担当した。
インド・チャンディーガルでの計画には、コルビュジエとともにに初期段階から参加し、都市空間から建築物、家具までを総合的にデザインした。コルビュジエがプロジェクトを離脱した後もチーフアーキテクトとして従事し、インドの近代建築の発展に大きく寄与した。
1960年代の2人の没後、彼らの意思や功績は時とともに薄れ、忘れ去られてしまう。次第にチャンディーガルのメンテナンスは不十分となり、古くなった家具は無防備に放置・廃棄されることとなる。
その後、2000年代初頭、その事実に驚いたヨーロッパ人が現地での調査や家具の修復等を行い、改めてその価値が認識されるようになった。
プロジェクト・チャンディーガルについて
ジャンヌレのデザイン思想とインドの職人技術を今に継承するインドの工房「ファントム・ハンズ」によって、ジャンヌレが描いたオリジナル図面をもとに再生産されたのが「プロジェクト・チャンディーガル・コレクション」だ。築100年以上が経過した建物のチークの古材など再利用し、インドの職人の手によって制作されている。
全15点を展示
同展では、アイコン的なイージーチェアからランドリーボックスまで様々なコラボレーション作品を全15点展示。
彫金作家であり、現代アート作家の池内信介氏
池内信介氏は、1984年福岡生まれ。幼少期からものづくりに没頭し、小学生の頃には半田ごてを綾どり、中学生の頃にはロボットコンテストで優勝するまでの工学の知識や技術力を身につけた。
独学で彫金技術を習得してからは彫金作家として活動する傍ら、表現の可能性を平面や立体に拡げる現代アート作家としても活躍。特殊樹脂を用いたミクストメディア作品には金属特有の流動的な質感を瑞々しいままに、無機質である素材を立体的で肉感のある有機質に捉えなおした作風で、生命の根源エネルギーや、その起源が拡大していくさまを表現している。
また、錫や銀などを用い、その特質を活かし異素材と複合させ、独自の作品を展開するミクストメディアアートの平面作品を発表している。