【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=BMW・X1 xDrive20d・Mスポーツ/価格:7DCT 606万円。20dは2リッターディーゼルターボ(150ps/360Nm)とモーター(19ps/55Nm)を組み合わせたマイルドHV。駆動方式は電子制御4WD。4500×1835×1625mmのボディサイズは日本の道路環境にもベストマッチする、『CAR and DRIVER』より引用)

3代目は電動化をキーワードに全面進化。すべてが最新仕様

BMWが「SAV(=スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と呼ぶXモデルはいまやラインアップの主軸となり、現在では8モデルを数える。そのSAVのエントリーモデルとなるX1が3代目を迎えた。

3代目のポイントは「電動化」である。BMWのスモールコンパクト初のピュアBEVとなるiX1が設定され、今回の試乗車、ディーゼルの20dには、48VマイルドHVが組み合わされた。

【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

新型のボディサイズは4500×1835×1625mm。内外装はBMWらしい風格が感じられる。全体の作りのよさから生まれる上質さはもちろん、最新世代らしい大きなキドニーグリルが目を引く。プロポーションも一段と力強さが増して立派になったように感じた。

インテリアのクオリティ感もさすがのレベル。エントリーモデルでここまで仕上げるのかと感心した。横長のBMWカーブドディスプレイを備えたインパネや、シフトレバーだけでなくiDriveコントローラーのなくなったセンターコンソールがフレッシュな印象を強調する。

アップライトなドライビングポジションがもたらす視界はワイド。後席の居住空間やラゲッジルームもこれで十分と思える広さだ。リアシートは3分割可倒式でセンターだけ倒して長尺物が積める。

【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

走りも大幅にリフレッシュしている。新型X1には、ガソリン、BEV、ディーゼルの全ラインアップに試乗。今回あらためてディーゼルをドライブしたが、乗るたびに完成度の高さに感心する。

走りに感銘。まさに意のままに走り/曲がり/止まる!

まず足回りが素晴らしい。乗り心地と操縦安定性のバランスがちょうどよく、ハンドリングは自然。どんなシーンでも、扱いやすい。
段差や継ぎ目の通過時などに若干の硬さを感じるシチュエーションはあるが、ランフラットタイヤをやめたことも効いてか路面への当たりには角がなくなっている。

感銘を受けたのは、ステアリングを切ったときの曲がり具合と、戻したときの収まり具合が見事に操作とシンクロしている点だ。応答遅れは小さく、揺り戻しもほとんど気にならない。クルマは素早く動くのが偉いのではない。ドライバーの操作に対してリニアに反応することこそ大切である。X1はまさしく「意のまま」だと感じた。理想的なダイナミズムを実現している。電制ダンパーを装備したMスポーツは、より万能にどんな路面にも対応できる。

【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

パワートレーンの仕上がりも上々である。20dが積む2リッターディーゼル(150ps/360Nm)は内燃エンジンが不得手とする走り出しの極低回転域でモーター(19ps/55Nm)が巧みにアシスト。出足から軽やかそのものだ。アクセル操作に対するレスポンスがほどよくリニアな点も魅力である。エンジン自体もアクセルの踏み込みに即したトルクをそのとおりに生み出しており、車速を緻密にコントロールしやすい。日常シーンで非常に乗りやすく、踏み込めば思いのままに力強く加速してくれるクルマだ。
ステリングホイールに設定されたパドルスイッチを操作すると、10秒間だけブーストが高まり、より力強さが増す。これは痛快で病みつきになった。

静粛性はハイレベル。音と振動はよく抑えられていて、ほとんど気にならない。ディーゼルでこの静かさはすごい。吹き上がる途中でディーゼルだと感じる領域は確かにあるが、ごく普通に走る分にはディーゼルだと気づかないほどだ。

他のX1の印象も簡単に紹介しておこう。2リッターガソリン(204ps/300Nm)を積む20iには、マイルドHVが搭載されていない。そのせいか、走り始めはディーゼルほどリニアではない。それでも低回転域から力強いトルクを生む特性で、ストレスを感じることはない。比べるとガソリンは、やはりディーゼルよりも静かで吹き上がりもスムーズである。

20iと20dのどちらを選ぶかは、経済性を含め何を重視するかで決めるとよいだろう。どちらも高い満足が得られるはずだ。トランスミッションは、どちらも7速DCTが組み合わされるが、つながりがスムーズで扱いやすい。

【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)
【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

BEVのiX1も、これまた完成度が高い。全域で静かでスムーズな走りは、内燃エンジンを積むX1とは別もの。同等クラスのBEVと比べても、実力では一歩リードしているように思えた。アクセル操作に対して多少のショックを許容しているのは、よりダイレクトに速さを体感できるようにするためだろう。20dと同様の「10秒ブースト機能」を使うと、ガツンといった感じでかなり強烈に加速する。これはインパクトがあった。 

新しいX1はどのモデルも欠点らしい欠点が何も見当たらない。 「駆け抜ける歓び」はエントリーモデルでもフルに味わえる。さすがBMWと、あらためて感心した。

【最新モデル試乗】祝インポート・カー・オブ・ザ・イヤー! 乗って大満足、3種のパワーユニットが選べるBMW X1の先進ぶり
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)