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エボ6.5的とはいえ本格派のトミー・マキネン エディション
WRカーを相手どった最後のグループAマシンの栄光と苦闘
エボ6.5的とはいえ本格派のトミー・マキネン エディション
エボVIの翌年、2000年1月にも新たなランエボが発売されますが、今度はエボVIIではなく、あくまでエボVIの特別仕様車という扱いの、「トミー・マキネン エディション」(通称エボVI TME」、「ランエボ6.5」など)として登場します。
不評だった足回りのフロントをエボV同等へ戻すとともに、フォグランプのマウントを廃止した空力優先のフロントバンパーになるなど見た目が精悍になったターマック仕様で、ワークスラリーカー仕様のカラーリングを施したスペシャルカラーリングパッケージも設定。
単に外装や足回りをリファインしたのみならず、タービンもエボVIで採用したチタンアルミ合金製から、小径化など設計の変更で最大トルク発生回転域を下げ、レスポンスアップしたハイレスポンスチタンアルミ合金タービンへ変更(GSRで標準、RSはオプション)。
これだけ変わると「エボVII」として販売しても良かったのでは…と思いますが、WRCでランエボを駆り1999年まで4年連続ドライバーズタイトルを獲り、1998年のマニュファクチャラーズタイトルではその原動力にもなった、トミー・マキネン選手の名がつけられました。
実質エボVIのマイナーチェンジ版、エボ6.5的なマシンとしてデビューしたTMEは、エボVIのネガティブな部分を取り除いたリファイン版としてユーザーにも好評で、WRCにも途中からTME風(規則の制約でそのものではない)のフロントバンパーで参戦しています。
WRカーを相手どった最後のグループAマシンの栄光と苦闘
エボVに引き続き、グループA…特例の改良が認められたため、厳密にはグループA+的な…でWRCにワークス参戦したエボVIですが、熟成が進み、あるいは新規参戦マシンが増えたWRカー相手では苦戦を強いられます。
1999年はエースのトミー・マキネンが4勝してドライバーズタイトルこそ獲得したものの、マニュファクチャラーズタイトルはたった1勝ながら安定して表彰台に登り続けたカローラWRCのトヨタに奪われ、インプレッサWRCのスバルにも抜かれ3位。
206WRCのプジョー、フォーカスWRCのフォードが本格参戦してきた2000年には開幕戦モンテカルロでマキネンが1勝したにとどまり、プジョー、フォード、スバルに次ぐマニュファクチャラーズタイトル4位(マキネンのドライバーズタイトルも5位)。
エボVIで最後の参戦となった2001年シーズンは、3勝してグループAマシンの意地を見せますが、第11戦サンレモラリーから切り替わったランサーWRC(エボVIIベースではなく、ランサーセディアがベースだった)が結果を出せず、最終的にタイトルを逃します。
ほぼ市販車無改造のグループNでは結果を残し続けたものの、グループAマシンでは特例の改良を施しても、WRカーに対抗するのは困難となっていたのです。
しかし、次のランサーWRCでは全くと言ってよいほどWRCでの成果を残せなかったことを考えると、グループA時代がランサーの、そして三菱ワークスにとっても、WRCにおける最後の栄光だったと言えるでしょう。
エボVII以降のランエボがグループNや国内モータースポーツで結果を出し続けたので、グループAで続けれいればあるいは…とも思いますが、エースのマキネンが2001年限りで離脱(2002年にスバルへ移籍、2003年で引退)しており、結果は同じだったかもしれません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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