伊藤敦樹(浦和レッズ)
浦和レッズへ正式加入した2021年から、常に主力の一角を担ってきたMF伊藤敦樹。今季は6月に行われたキリンチャレンジカップ2023で日本代表にも初選出され、エルサルバドル戦(6-0)でデビューを飾り代表定着の足掛かりを作るなど充実の1年だったと言えよう。
ボール奪取力に秀で、185cmの長身を誇る国内屈指の大型ボランチであることに加え、サイドに出ての正確なクロスや中央での強烈なミドルシュートなど攻守に渡って豊富な武器を兼ね備えている。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)や代表活動、クラブワールドカップと国際舞台での露出も多いシーズンだっただけに、今冬どこからも声がかからないことは考えにくい。浦和にとっては文字通りチームの中心になくてはならない選手だが、そう遠くない未来に海外挑戦を報じられる可能性は高いと言えよう。
佐野海舟(鹿島アントラーズ)
町田ゼルビアから今2023シーズンより鹿島アントラーズへ加入したMF佐野海舟。J1初挑戦ながら27試合と多くの出場機会を得て、日本代表デビューも果たすまさしく自身にとって飛躍のシーズンになったと言えよう。的確なポジショニングを武器にボール奪取やセカンドボールの回収で存在感を示し、加えてボールを持てば簡単には倒れないドリブルで推進力も見せた。
鹿島は今冬、長く中盤の底を支えてきたMFディエゴ・ピトゥカがチームを離れることをすでに発表している。来季改めてタイトル争いに加わるためにも、佐野に懸かる期待は一層高まるに違いない。しかし、代表デビューを飾ったこともあり海外クラブの目に留まっていたとしても不思議ではない。今年8月、一足先に海外挑戦を果たした弟MF佐野航大(NECナイメヘン)と同様、Jリーグから巣立つタイミングとなるのか。急成長を遂げたボランチの去就から目が離せない。
松木玖生(FC東京)
世代別代表活動の影響もあり、今季は22試合の出場となったMF松木玖生。しかし、多くの試合に絡んだルーキーイヤーの昨年に続き、チームで大きな存在感を見せた。フィジカルの強さは20歳にしてすでに国内屈指。加えてキック精度や果敢に攻撃へ関わる積極性、パンチ力のあるミドルシュートなど数多くの武器を併せ持っている。
国内での活躍は申し分ないが、パリ五輪を目指すU-23代表においてポジションを争うライバルたちは今夏海外移籍を果たしている。同じく五輪やA代表を狙う松木としても、欧州で経験を積む必要性が増していると言えよう。実際、夏にも海外行きの噂が出ていた松木。パリ五輪までの期間があとわずかと迫っており移籍後に出場機会を失えば選手選考から漏れる可能性もある。海外行きの可能性は高いが、あとはタイミングと行き先次第といったところだろうか。