告白の成功率を高めるにはどうすればいいのか

告白までの期間について、成功群は「相手と初めて出会ってから3カ月以内」に告白することが多く、失敗群は「出会ってから13カ月を過ぎて」から告白することが多いことが分かりました。

実験の結果を改変。
実験の結果を改変。 / Credit: 栗林 (2004).

この結果は、告白の成功率を高めるなら、出会ってから「3カ月以内」に告白を行う方が良いと言えるでしょう。

出会ってから時間が経ってしまうと、友だち・知人の関係性が確立されてしまい、その範疇から抜け出し、恋人の関係になるのは思った以上に難しいと考えられます。

しかし「告白を行うなら早い方が良い」といっても、告白までの期間のみで告白が成功するか否かが決まるわけではありません。

相手との関係性も告白成功率を分ける重要な要因だと思われます。

知り合ってから告白をするまでの期間中、相手と一緒に何をしたのかに関して、成功群は「二人で遊びに行く」、「二人で食事に行く」行動が多かったのに対し、失敗群は「親に紹介する」、「個人的な悩みをうちあける」行動が多いことが分かりました。

また成功群と失敗群の間に統計的な違いがなかった例として、「グループで遊びに行く」や「グループで食事に行く」がありました。

告白成功・失敗群の告白前の行動として統計的に差があり、それぞれ多かった行動
告白成功・失敗群の告白前の行動として統計的に差があり、それぞれ多かった行動 / Credit: 栗林 (2004).

この結果から、告白の成功に大きな影響があるのは「特別な用事がないのに」会ったり、メールをし、二人でプライベートな時間を過ごす行動であると言えるでしょう。

二人でのプライベートな時間を過ごしていないにも関わらず、告白を行うのはまだ時期尚早と考えた方がよさそうです。

さて相手との関係性も親密になったとして、次に告白を行った時間帯です。

告白はどの時間帯に行なえばいいのか

まず全体的な傾向として、午前中に告白を行う人は少なく、午後や夜に告白する人が多いようです。

そして成功群の約半数が「18-23時」の夜の時間帯に告白していました。

しかし失敗群は「18-23時」には約3割程度に留まり、「12-17時」の昼間に告白することが多いことが確認されました。

実験の結果を改変。
実験の結果を改変。 / Credit: 栗林 (2004).

これは夜間の方が比較的時間の余裕があり、学校などの普段会う場所ではなく、雰囲気の良い場所で告白を行っている可能性があると考えられます。

この傾向は成功群と失敗群の告白を行った場所の違いでも表れています。

成功群が「自分の家」や「相手の家」で告白を行う傾向がある一方で、失敗群は学校で行う傾向があったのです。

告白を行う場所・時間帯は、日常的に会わない雰囲気の良い場所で、「18-23時」の夜の時間が良いと言えるでしょう。

では告白の際に相手に何を伝えれば、成功率が高くなるのでしょうか。

成功群は相手に「好意」を伝えるだけでなく、「付き合ってください」のように「交際の希望」を伝える傾向が高く、失敗群は相手に「好意」のみを伝えて終わってしまう傾向がありました。

実験の結果を改変。
実験の結果を改変。 / Credit:: 栗林 (2004).

おそらく相手から「好意」のみを伝えられても、具体的に何を望んでいるのかが明確に伝わらず、告白成功率が下がってしまうのものと考えられます。

告白する時には、「好意」と「交際の希望」を一緒に相手に伝える方法が一番良いと言えるでしょう。

この調査は高校生と大学生を対象にしたもので、授業や講義、部活などの相手と共に過ごす時間が比較的多い学生に見られた傾向である点には注意は必要です。

現在ではTinderやペアーズなどのマッチングアプリなど、物理的に離れた相手との連絡を取り、親密な関係を築くことが可能になっています。

しかし職場など会う人に関しては、普段共有する時間が長いなど、調査対象となった高校生と大学生との共通要素も多いはずです。

次に告白する際には、告白までのタイミングや相手との関係性、伝える内容など参考にしてみてはいかがでしょうか。

元論文

Factors influencing success and failure of confessing one’s love

Men say “I love you” before women do: Robust across several countries

The Friends-to-Lovers Pathway to Romance: Prevalent, Preferred, and Overlooked by Science

ライター

AK: 大阪府生まれ。大学院では実験心理学を専攻し、錯視の研究をしています。海外の心理学・脳科学の論文を読むのが好きで、本サイトでは心理学の記事を投稿していきます。趣味はプログラムを書くことで,最近は身の回りの作業を自動化してます。

編集者

海沼 賢: 以前はKAIN名義で記事投稿をしていましたが、現在はナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。