人間の汗を分析し、心臓や健康状態を追跡するAIベースのウェアラブル監視デバイスを開発する、イスラエル出身のスタートアップ、Yopi Technologies(以下、Yopi)が2024年の製品販売を計画している。サブスクリプションベースのスポーツ製品として、年間50個の使い捨てセンサーを提供するという。
イスラエル南部に拠点を置くスタートアップ企業

Yopi Technologies 公式サイトより引用
時計ほどの大きさのセンサーで酸素を測定
バンド型のセンサーは時計ほどの大きさであり、トレーニング中に手首に装着される。このセンサーは電解質を測定し、そのデータをBluetooth経由で付属のアプリに送信するものである。
アプリは高度なアルゴリズムを使用して、人のVO2(運動中に体が吸収して使用できる酸素の最大量)を測定。このセンサーはユーザーのVO2を20時間分析できるため、交換が必要になるまで使用可能だ。
また、VO2が大きいほど、体はより効果的にエネルギーを生成でき、心臓全体の健康状態も向上するという。
開発のきっかけは創業者自身の心臓閉塞
機械エンジニアのHemi Re’em氏は、6歳からアスリートとして活動しており、バスケットボールや水泳を行いつつ、マラソン、トライアスロン、さらにはハーフアイアンマンにも出場している。
しかし、彼の身体には3本の動脈に深刻な心臓閉塞があることが判明。定期的な検査では異常は見つからず、彼が毎日着用している心拍数モニターにも兆候が表示されなかったという。
そこで彼は「私たちは心臓の健康状態を正しい方法で監視していなかったことがわかった」と感じた経験からテルアビブ大学化学科のMenachem Genut博士と協力してYopiを設立した。
その目的は、少量の汗を使って、トレーニング中に心臓の健康状態を監視する新しい、より正確な方法を作成することであった。ちなみにYopiは「あなた自身の個人インストラクター(Your Own Personal Instructor)」の頭文字から名づけられた名前である。