多くの人が登る山には、必ず理由がある。次の登山先を迷っているなら、2023年の動向がきっと参考になるだろう。
電波が届かない山の中でもスマートフォンのGPSで現在地と登山ルートがわかる登山地図GPSアプリ「YAMAP」を運営するヤマップ社が、2023年に「登られた山」ランキング(1)を公開した。
2021年の集計から3回目となる本ランキングでは、「活動日記数」が総じて増加し、コロナ以前の日常・社会活動に戻ったことがうかがえる結果になったという。
登山地図GPSアプリ「YAMAP」から見る全国の名山
2023年10月には累計400万ダウンロードを突破し、日本最大級の登山・アウトドアプラットフォーム(2)に成長した「YAMAP」。登頂数(活動日記数)が多かった山をエリア別に集計した。
北海道エリアで最も登られた山は札幌の中心地に近い「藻岩山」で、3年連続の1位に。2位以下も昨年と同様「三角山」「旭岳」「樽前山」「大倉山」と続いた。
東北エリアでは、ロープウェイもあり、家族連れや初心者でも気軽に楽しめる「安達太良山」が3年連続の1位となった。以降は「月山」「磐梯山」「一切経山」「蔵王山」と、雄大な自然景観を有する山々がランクイン。
関東エリアでは1位に「高尾山」、2位以下は「塔ノ岳」「筑波山」「大山」「御岳山」と、都心からのアクセス手段が豊富な西東京~神奈川エリアに多くの人が訪れた。
北陸エリアでは、立山三山で知られる「立山」が3年連続で1位に。次いで「白山」「文殊山」「爺ヶ岳」が挙がる。伊藤新道の40年ぶりの復活を受け、「三俣蓮華岳」が初めて5位にランクインした。
甲信越エリアでは、北アルプスの入門の山としても知られ、360度の大パノラマを楽しめる「燕岳」が昨年に続き1位に。以下「木曽駒ヶ岳」「大菩薩嶺」「八方山」「赤岳」と順当な結果となった。
東海エリアでは、初心者でも登りやすい遊歩道が整備される「猿投山」が3年連続の1位、「金華山」が2位となった。
3位にはこの夏、前年比3~4割増の混雑も見られ、さまざまな対策が検討される「富士山」がランクイン。「鳩吹山」「弥勒山」が続いた。
近畿エリアでは四季を通じて登山者や観光客で賑わう「金剛山」が3年連続の1位となった。このほか近代登山発祥の地「六甲山」や「摩耶山」「御在所岳」「鉢伏山」が続く。
中国エリアでは、晴れた日には境港まで眺めることができるエリア最高峰の「大山」が3年連続の1位に。次いで「右田ヶ岳」「福山」「弥山」「三瓶山」がランクインした。
四国エリアでは西日本最高峰を誇り、紅葉が有名な「石鎚山」が3年連続の1位となった。「剣山」「三嶺」「飯野山」「瓶ヶ森」が後を追う。
九州エリアでは、九州を代表する名峰を擁する「くじゅう連山」、福岡県内で最も登山者が多いとされる「宝満山」が3年連続の1~2位となった。「韓国岳」「中岳・阿蘇山」「立花山」が続く。
いずれも負けず劣らず魅力のある山々で、来年の登山シーズンが待ちきれない。登山の際には、安全のためYAMAPアプリも活用したい。
(SAYA)
1 2023年1月1日(日)~11月30日(木)の期間中、登頂数をエリア別に集計し人気指数としてスコア化。山ごとに「標高(m)」「1位の人気指数(100pt)と相対比較したスコア(pt)」「活動日記数の前年比(%)」「前年順位」の4つを分析
2 2021年8月の登山アプリ利用者数調査(App Ape調べ)
※過去のランキングは2021年12月27日(月)、2022年12月23日(金)の同社発表による