スズキがフルモデルチェンジした新型スペーシアをベースとする福祉車両ウィズシリーズの「車いす移動車」を発表。2WD車は2023年12月22日に、新規に導入する4WD車は2024年3月21日に発売

 スズキは2023年12月8日、2023年11月に全面改良した第3世代の新型スペーシアをベースとする福祉車両ウィズシリーズの「車いす移動車」を設定し、2WD車を2023年12月22日に、4WD車を2024年3月21日に発売すると発表した。

第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲スズキ・スペーシア「車いす移動車」ハイブリッドX リアシート付車(2WD) 価格:CVT190万6000円 全長3395×全幅1475×全高1785mm ホイールベース2460mm 車重930kg 乗車定員4名(車いす搭載時の乗車定員は3名) 写真のボディカラーはトーニーブラウンメタリック、『CAR and DRIVER』より 引用)

車種展開は以下の通り。

ハイブリッドG リアシート無車:2WD178万6000円/4WD189万5000円

ハイブリッドG リアシート付車:2WD182万1000円/4WD193万円

ハイブリッドX リアシート付車:2WD190万6000円/4WD201万5000円

 新しいスペーシア「車いす移動車」は、より利便性を高めた機能装備を採用するとともに、先進安全運転支援システムのさらなる拡充を図ったことが特徴である。

第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲スズキ・スペーシア「車いす移動車」ハイブリッドG リアシート付車(2WD) 価格:CVT182万1000円 全長3395×全幅1475×全高1785mm ホイールベース2460mm 車重910kg 乗車定員4名(車いす搭載時の乗車定員は3名) 写真のボディカラーはオフブルーメタリック、『CAR and DRIVER』より 引用)

 まず機能装備の面では、テールゲート一体型スロープに前倒し機構を新採用したことがトピック。スロープ格納時は室内側に倒すことで床面がフラットになり、乗車人数や積載物などに合わせて室内空間を多様にアレンジすることを可能とした。また、回転タイプの車いす乗員用手すりを新規に装備。車いす乗員者がより掴みやすい位置に手すりを配置できるよう配慮した。さらに、車椅子簡易固定装置を販売会社装着アクセサリーとして用意。電動ウインチで車いすを引き上げるだけで、車椅子簡易固定装置のフック部分に車いす側のアンカーバーが引っかかってしっかりと固定され、車いすの乗せ降ろしがより容易になった。ほかにも、ビッグオープントレー(助手席)やオープントレー(運転席)、ドアトリムポケットなど多彩な収納スペースを設置したほか、スリムサーキュレーターおよびロールサンシェード(ハイブリッドX リアシート付車に装備)や音声案内機能などを採用し、利便性と快適性をいっそう高めている。

第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲テールゲート一体型スロープに前倒し機構を新採用。スロープ格納時は室内側に倒すことで床面がフラットになる、『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲回転タイプの車いす乗員用手すりを新規に装備。車いす乗員者がより掴みやすい位置に手すりを配置できる、『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲2アクションでリアシートをたためば、簡単に車いす乗車空間が現れる、『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲広いリアゲート開口部を実現。スロープ幅は640mmで、耐荷重は200kgを確保、『CAR and DRIVER』より 引用)
第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲4WDモデルを新規に設定。スロープは折りたたみ式、『CAR and DRIVER』より 引用)

 先進安全運転支援システムについては、大幅に進化した「スズキセーフティサポート」を採用する。ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより、検知対象を車両や歩行者、自転車、自動二輪車とし、交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を全車に標準で装備。また、フロントバンパーとリアバンパーに内蔵した超音波センサーが前方・後方の障害物との距離を測り、衝突の可能性があると判断した場合に衝突被害軽減ブレーキによる衝突の回避または被害軽減を図る「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」や「後退時ブレーキサポート」を全車に設定する。ほかにも、車線逸脱抑制機能や標識認識機能、SRSカーテンエアバッグなど、ベース車と同等の安全装備を導入した。

第3世代の新型スペーシアに「車いす移動車」を設定
(画像=▲ミリ波レーダーと単眼カメラの組み合わせにより検知対象を車両や歩行者、自転車、自動二輪車とし、交差点での検知にも対応した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートⅡ」を全車に標準装備、『CAR and DRIVER』より 引用)

 パワートレインはベース車と共通で、発電効率に優れたISG(モーター機能付発電機)により減速時のエネルギーを利用して発電し、専用リチウムイオンバッテリーに充電して、その電力を活かして加速時にはモーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用した自然吸気エンジン仕様を設定。システムはR06D型657cc直列3気筒DOHC12V・VVTエンジン(最高出力49ps/6500rpm、最大トルク5.9kg・m/5000rpm)にWA04C型モーター(最高出力1.9kW/1500rpm、最大トルク40Nm/100rpm)を組み合わせて搭載する。トランスミッションには軽量化と高効率化を果たした新CVTを採用。また、駆動機構には2WD(FF)のほか、新規にフルタイム4WDを設定した。

文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER

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