眼鏡は一般的に魅力を下げるアイテムと認識されており、眼鏡を避けるためにコンタクトレンズを利用する人も多く存在します。
ただ、世の中には根強い眼鏡っこ好きも存在しています。
では、眼鏡が魅力に与える影響は、きちんと調査するとどういう結果になるのでしょうか?
オーストリア、ウィーン大学のヘルムット・レーダー氏(Helmut Leder)らの研究チームは、顔の印象に眼鏡が与える影響を検討し、この疑問に対する答えを報告しています。
この研究では、参加者に、同一人物の眼鏡なし、眼鏡あり、フレームレス眼鏡の顔写真を見てもらい、その魅力度や知的さ、信頼性などを評価してもらいました。
その結果、眼鏡を掛けていると魅力度は低下したと評価されるが、代わりに知的で、成功しているように見えると評価されることが確認されました。
やはり眼鏡は魅力を下げるデバフアイテムなのでしょうか?
ただし研究チームは、縁なし眼鏡の場合は、魅力度が下がらず、知的さなどのプラスの効果のみを得ることができると報告しています。
研究の詳細は、学術誌「Swiss of Journal of Psychology」にて2011年10月1日に掲載されました。
眼鏡をかけると顔の印象が変わるのか?

顔の造形によって印象は変化します。
たとえば、額が広く、目が大きく、顔の下部分にパーツが集まっている顔の人は、幼く、無垢で、信頼性が低いとの印象を抱かれます。
いわゆる童顔です。
一方で、顎が角ばっていて、目と眉の間が狭い顔の人は、有能であるという印象を持たれる傾向があります。
顔の印象を左右するのは造形だけではありません。髪型でも印象は変化します。
イエール大学のマリンヌ・ラフランス氏(Marianne LaFrance)らの研究によると、髪型が印象に与える影響について報告しています。
具体例を一つ上げると、肩にかかるくらいの黒髪の女性は、人当たりが良く、頭が良いと思われやすく、天然だという印象を抱かれる傾向があるようです。
このような顔の造形、髪型で印象が変化するのは、ある特定の容姿の人物はこういう性格であろうというステレオタイプが影響していると考えられています。
では顔の一部ではないですが、アクセサリー、特に多くの人が利用している眼鏡はどうなのでしょうか。
これは多くの人が実感している通り、眼鏡をかけている人とかけていない人では、確かに受ける印象が変化します。
しかしそれはどの様な印象の変化なのでしょうか? また眼鏡のタイプによって影響は異なるのでしょうか?
個人でもキャラクターでも眼鏡を掛けると色んな評価を耳にします。「無い方がよかった」、「賢そうに見える」、「仕事ができそうに見える」、では眼鏡は統計的にはどのような評価に偏るのでしょう?
学術誌「Swiss of Journal of Psychology」に報告されたウィーン大学のヘルムット・レーダー氏らの研究では、まさにそんな気になる点を調べてくれています。
実験では、参加者74名に、同一人物の眼鏡なし、縁あり眼鏡あり、縁なし眼鏡の顔写真を見て、魅力度や知的さ、信頼性などを評価してもらいました。

実験で用いられた顔写真は、眼鏡の有無と縁の有無以外の要素が印象の評価に影響を及ぼさないように、首元から上を撮影し、白黒に変換したものを使用しています。
ではこうした実験で、参加者はどのような評価を下したのでしょう?