クロアチア1部ディナモ・ザグレブは、今年7月に北海道コンサドーレ札幌からMF金子拓郎を期限付き移籍により獲得。同選手が主力選手として活躍する中、さらなる日本人選手獲得の予兆とも解釈可能な動きがある模様。VfLボーフム所属FW浅野拓磨の獲得を狙った過去も報じられている。
金子は2023/24シーズン開幕当初は出場機会に恵まれなかったが、9月末の国内カップ戦で移籍後初ゴールを挙げると、その後は徐々に出場時間を確保。今月4日に行われたクロアチア1部リーグ第17節のNKスラヴェン・ベルポ戦で2アシストをマークすると、14日開催のUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(UECL)バルカニ戦でも2ゴールを演出。17日に行われた第19節ハイドゥク・スプリト戦でも、右サイドハーフでフル出場した。
海外挑戦1年目からの活躍もあり、クロアチア紙『Sportske novosti』は今月6日に「ディナモが金子を完全獲得するのは確実。怪我のリスクを考慮して、買い取りオプション行使はシーズン終了の1カ月前に合意するのが一般的」と、完全移籍移行の可能性を伝えていた。
すると同紙は18日に「ダリオ・ダバツがディナモのチーフスカウトに就任する」とリポート。ダバツ氏は、かつて2006年8月から2008年5月までミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとサンフレッチェ広島でプレー。引退後はFW原大智(現京都サンガ)やMF新井晴樹(現セレッソ大阪)のクロアチア移籍を手掛けていた。
またダバツ氏とディナモの関係については、『Sportske novosti』が今年11月に「彼はディナモ・ザグレブ幹部に金子を紹介した」とリポート。この時、同紙は「浅野のクオリティと価格を踏まえると、ディナモにとってほぼ間違いなく“ベストバイ”だった。結局、浅野はやって来なかったが、だからこそ金子加入が決まったのだ」と、ディナモが日本代表FWの獲得に乗り出していたことを伝えている。
なお『Sportske novosti』は“日本通”として知られているダバツ氏のチーフスカウト就任を伝えた上で、「ダバツを軌道に乗せ、信頼を買った最大の推薦人は、金子である。ダバツは日本のリーグを知っている」と綴っている。金子獲得を実現させた重要人物が重役を担うだけに、今後再び日本人選手の獲得に動く可能性も考えられる。