ディエゴ・ピトゥカ 写真:Getty Images

 鹿島アントラーズを2023シーズン限りで退団したMFディエゴ・ピトゥカは、すでにブラジルへ帰国。ブラジル2部降格クラブであるサントスへの復帰が既定路線とみられているが、ここに来て破談の可能性が浮上している。

 現在31歳のピトゥカは、2021年1月にサントスから鹿島へ完全移籍。鹿島在籍時には、複数回にわたりサントス復帰の可能性が報じられたが、鹿島がサントスに契約解除金満額を支払うように要求。するとサントスは今年7月20日にクラブ公式Xアカウントにて「ピトゥカは木曜日(20日)に我々と4年間の事前契約を結ぶ」と声明を発表。2023シーズン終了後に移籍金ゼロで同選手を再獲得する方針を打ち出すと、鹿島も今月7日に公式サイトにて「ディエゴ・ピトゥカ選手がサントスFC(ブラジル)へ完全移籍することになりましたので、お知らせいたします」と公式発表している。

 しかしブラジルメディア『trivela』によると、ピトゥカ本人は12日に帰国した際、自身の去就について「鹿島との契約は2024年1月まで残っているけど、きちんとした計画があれば、ブラジル2部でプレーしない理由はない。この困難な時期にサントスを助けたいと心から思っている。でも、さっきも言ったように、まだ鹿島との契約が残っているし、サントスの誰とも話していないので、それについて深く話すことはできないんだ」とサントス復帰を明言しなかった。

 くわえてサントスの専門サイト『Diario do Peixe』によると、ピトゥカは現在もブラジル国内の自宅におり、契約前の状況を解決するためにサントスとの会談を待っているとのこと。本人はブラジル2部リーグでのプレーに前向きであるが、今月9日の会長選挙で選出されたマルセロ・テイシェイラ氏は、16日時点で代理人に連絡を取っていないという。

 また同メディアは「アンドレス・ルエダ前会長は今年7月にピトゥカと事前契約を結んだ際、年俸60万レアル(約1700万円)を約束したが、この金額は2部に降格した今のチーム状況からかけ離れているものだ」とリポート。サントス復帰実現にむけて、ピトゥカが減俸を受け入れる必要があるとの見解を示した。

 サントスは今季序盤から成績が振るわず、8月はじめに2部降格圏の17位に転落。10月27日の第29節コリチーバ戦で勝利した後は2勝4分と立ち直りの兆しを見せていたが、先月29日の第36節フルミネンセ戦からまさかの3連敗。今月6日に行われた最終節フォルタレーザ戦で1-2と敗れ、かつ残留争いのライバルであるヴァスコ・ダ・ガマとバイーアがいずれも勝利したため、残留圏の16位バイーアから勝ち点1差で17位に転落してシーズン終了。クラブ史上初めて2部降格という屈辱を味わっている。