いま、ヨーロッパのワイン愛好家の間でも注目を集めつつあるウクライナワイン。
日本でプロのダンサーとして活躍するアンナ・ヴァシナ氏は、ウクライナワインの輸入を目指して今年7月にアンナ社を設立。12月からオンラインショップでの本格販売をスタートした。
伝統と共に成長を続けるウクライナワイン
ワインの味を左右するのは素材—つまりは葡萄の出来だ。
ウクライナは広大な土地と気候条件に恵まれ、独自の品種を育み、古くからワインの生産を行ってきた。近年は最新の製法や技術も駆使しながら、多くのワイナリーが魅力的なワインをつくっている。その洗練された複雑な味わいは、ワインの愛好者たちを魅了してやまない。
しかし、戦時下の国内ではワインの販売量が激減。戦火を免れた場所にあるワイナリーも多い一方、国内消費量自体が減り、特に家族経営のワイナリーは厳しい状況に立たされている。
日本で暮らすアンナ・ヴァシナ氏が魅力的なウクライナワインと出会ったのも、ウクライナへの軍事侵攻が始まった頃だった。彼女は早速、SNSを使ってウクライナの生産者を開拓。大規模ではないものの、信念を持ってワインづくりに取り組む生産者たちと契約を結ぶに至った。
早速、気になる生産者について紹介しよう。
ボトルデザインも目を引く「ファーザーズワイン」
「ファーザーズワイン」は、創業者家族の亡き父親の想いを受け継いで誕生したワイナリー。父親の愛情が宿る葡萄畑で、遺った家族が一心にワインを醸している。
同ワイナリーではボトルデザインにもこだわっており、ラベルは古典的なウクライナ模様を現代的にリデザイン。このデザインは、2021年にドイツの「Reddot Design Award」で「best of the best」も受賞している。
自然派ワイン好きは「ビオロジスト」をチェック
「ビオロジスト」は、自然のリズムに合わせてワインをつくる、ウクライナを代表する“自然派ワインのマエストロ”。葡萄づくりにおいても除草剤や殺虫剤を用いず、植物由来・ミネラル由来のものだけを厳選して使用。葡萄は全て手積みして、職人がワインづくりにおける全工程を手作業で行なっている。
土壌を守りながらつくり出される、個性豊かなワインの味に注目だ。
まだウクライナワインを味わったことがない人は、この機会に買い求めてみては。
(IKKI)