【70万円台から】36mm径(旧)エクスプローラーのどっちを選ぶ|菊地吉正の【ロレックス通信 No.227】
(画像=(左)Ref.14270(右)Ref.114270、『Watch LIFE NEWS』より引用)

今回は現在でも70万円台から手に入れることができる旧型エクスプローラーの4代目(Ref.14270)と5代目(Ref.114270)を取り上げてみたいと思う。ちなみの現行36mmの124270は7代目。6代目はケースサイズが39mmとなった214270だ。

さて、実勢価格が70万円台と言っても、決して簡単に手を出せる額ではない。ただ、現行モデルのスポーツ系が中古でも100万円以上というプレミアム価格に麻痺しているせいか、100万円を下回る金額を見ると「おっ」と感じてしまう。

実のところこの旧型エクスプローラーと同年代のサブマリーナーデイトもGMTマスター II も現在は150万円以上もする。加えて世代がひとつ前のエクスプローラー、Ref.1016に至っては軽く200万円オーバーだ。そう考えるとこの両世代はかなりお買い得といえるのだ。

では、両者の基本的なデータを見てみよう!

【Ref.14270】

製造期間:1990〜2000年

ケース径:36mm(リューズ含まず)

防水性:100m

ムーヴメント:自動巻き(Cal.3000)

実製価格:70万円台〜300万円台(ブラックアウトと呼ばれるイレギュラーな希少モデルなどは高額になる)

【Ref.114270】

製造期間:2001〜2009年

ケース径:36mm(リューズ含まず)

防水性:100m

ムーヴメント:自動巻き(Cal.3130)

実製価格:70万円台〜150万円台

変更点は大きく二つ。ひとつは自動巻きムーヴメントの耐衝撃性が向上したCal.3130になった点。もうひとつはブレスとケースを繋ぐフラッシュフィットが一体成形されて堅牢性と見た目の高級感が高まったことだ。なお詳しくは筆者が刊行する専門書「ゼロからわかるロレックス」(改訂版4)を参照いただきたい。

最後に購入のポイントを以下に紹介する。両方ともに流通量は豊富だ。実勢価格が抑えられているのはこの点も背景にあるのだろう。

【ポイント1】

ちょっと古っぽさを楽しみたいのであれは断然「14270」。性能面などより見た目と作りを優先するなら「114270」。ちなみに14270も精度はかなりいい。

【ポイント2】

「14270」はバーインデックスの夜光に1998年頃まではトリチウムが使用されていて、それ以降は通常のルミノバに変わった。今後焼け感が期待できるトリチウムの評価が高まったこともあって近年はルミノバよりも人気が高く割高になる場合が多い。なおトリチウムの場合は6時位置に「T<25」の表記あり(関連記事「36mm径の4代目、旧型エクスプローラーはこんなところが魅力」参照)

【ポイント3】

最後に購入金額の目安だが、製造年代、コンディション、そして付属品の有無など中古品はそれぞれ状況が違うため断定はできないが、あくまで筆者の主観的なところで示すと、114270は値付けとして非常に多い “80万円台”。一方の14270は70〜80万円台も豊富に流通しているが、トリチウムの関係もあって “90万円台”をひとつの目安にして探すといいような気がする。

エクスプローラーは小振りで着けやすく、しかもシンプルなためどんなファッションにも合わせやすいし使用シーンも幅広い。加えてとにかく不具合が少ないスグレモノだ。今年も残すところ1カ月を切った。1年間頑張った自分へのご褒美として選択肢のひとつに加えてみてはいかがだろうか。

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

【70万円台から】36mm径(旧)エクスプローラーのどっちを選ぶ|菊地吉正の【ロレックス通信 No.227】
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。 2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

提供元・Watch LIFE NEWS

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