最新テクノロジー満載。小さな本物

 新型デミオは、マツダの新世代技術スカイアクティブと、魂動デザインを全面採用した新世代モデル第4弾。新開発1.5リッタークリーンディーゼルを設定している。ディーゼルは最高出力が105psにとどまるものの、最大トルクはMTで22.4kgm、ATは25.5kgmに達する。JC08モード燃費は、FFのMTで30.0km/リッター。ハイブリッドとKカーに近い数値である。

 ディーゼル特有の低回転からの力強い加速感が実感できるのはATのほう。MTはターボが利く1500rpmあたりから下のゾーンを使う発進時などで「トルクが薄い」と感じる瞬間がある。対してATはその回転数をほぼ使わずに加速できるようにセッティングされている。とはいえどちらもパフォーマンスは優秀。ディーゼルとは思えないスムーズな吹き上がりも印象的だ。静粛性もハイレベルにある。

【ボクらの時代録】2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。マツダ・デミオ( DJ3/DJ5型)のキラリと光るいいもの感
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【ボクらの時代録】2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。マツダ・デミオ( DJ3/DJ5型)のキラリと光るいいもの感
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

 ディーゼルとガソリン車の重量差は約100kg。フットワークの差はあまり感じなかった。車体が曲がっていく挙動は、縦置きエンジンの後輪駆動車を思わせる。グリップレベルはハイレベルで、ディーゼルエンジンのトルクを生かした走りにしっかりついてくる。

 乗り心地は低速時は固めに感じる。ところが50km/hを超えると、固さは気にならなくなる。この足回りやシートの快適な座り心地などは、欧州車を思わせる。

 新型デミオの大きな個性は、運転席に着いた瞬間に、「走りたい!」と思わせる点である。ペダルがドライバーに正対した理想的なドライビングポジションをはじめ、航空機のコクピットを思わせる上質な室内が気分を高揚させてくれる。
 完成度の高いドライバーズコンパクトである。
(森口将之/2014年12月号)

【ボクらの時代録】2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。マツダ・デミオ( DJ3/DJ5型)のキラリと光るいいもの感
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

4代目マツダ・デミオのプロフィール

 4代目は従来のカジュアルなキャラクターから、プレミアムコンパクトに大変身。上級車から乗り換えても満足感の高いドライバーズモデルに仕上がっていた。特徴は新世代マツダ車に共通するスカイアクティブ・テクノロジーの全面採用と、情感豊かな「魂動デザイン」。パワーユニットは1.5リッターのクリーンディーゼルと1.3リッターガソリンの2種。ともにドライバーの意思に忠実なポテンシャルの持ち主で、中でもディーゼルは豊かなトルクでクラスレスの走りを実現した。

【ボクらの時代録】2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。マツダ・デミオ( DJ3/DJ5型)のキラリと光るいいもの感
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)
【ボクらの時代録】2014年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。マツダ・デミオ( DJ3/DJ5型)のキラリと光るいいもの感
(画像=『CAR and DRIVER』より 引用)

優れた燃費性能と静粛性も特筆ポイントになる。トランスミッションは6速ATを基本に一部グレードに5速/6速MTを設定。駆動方式はFFと4WDから選べた。4代目は従来型に対して前輪を80mm前方に移動。その効果で適正なドライビングポジションを実現した。シートもパッセンジャーをしっかり支える大型サイズを採用。デミオのプレミアム性は、内外装が上質なイメージで仕上げられているうえに、走りを構成する基本が煮詰められていることが支えている。それが発表から長い時間が経過しても色褪せないロングライフを支えている。車名は2019年7月に世界統一名称の「マツダ2」に変更された。