80年代のアメリカを代表するアーティスト、キース・ヘリングさん。人々の記憶に残る数々のシンボリックな作品を残し、激動の人生を駆け抜けた。

その画業を回顧する「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」が六本木・森アーツセンターギャラリーにて2024年2月25日(日)まで行われている。東京展スペシャルサポーターと音声ガイドナビゲーターを俳優の磯村勇斗さんが務める。

日本初公開など貴重な作品が並ぶ「キース・ヘリング展」

本展にはいくつもの見どころがある。まずは初期の記念碑的シリーズで、現存する点数も少ない「サブウェイ・ドローイング」の7点が一堂に会するというところ。うち5点が日本初公開となる。

本展監修者の梁瀬薫さんとアートコレクターのタッカー・ヒューズさんによるギャラリートークでは、地下鉄駅構内の使用されていない広告板に描かれた本作を、作業員を装ったヒューズさんがはがしてコレクションするに至ったという当時の裏話も披露した。

(中央)アートコレクターのタッカー・ヒューズさん、(左)本展監修者の梁瀬薫さん

(中央)アートコレクターのタッカー・ヒューズさん、(左)本展監修者の梁瀬薫さん

章ごとに展示空間の雰囲気を変えた、ドラマチックな演出も見逃せない。色彩あふれるポップな作品が並ぶ空間から、暗闇にモノクロの作品が浮かび上がる空間まで、一部作品を除いて展示のほぼすべてが写真撮影OK。とくに蛍光インクが使われ、ブラックライトで発光するシリーズは要注目だ。

会場には6メートルもの大型舞台セットや、エイズの発症を自覚したキース・ヘリングさんが、自身のアートと人生を振り返って初期のドローイングを版画にした“タイムカプセル”ともいわれるシリーズ「ブループリント・ドローイング」が印象的に展示される。

日本好きで知られ、何度か来日も果たしていたというキース・ヘリングさん。

展示内のスペシャルトピック「キース・ヘリングと日本」では、その際に制作した作品や当時の映像を紹介。80年代の原宿でファンと戯れる映像は必見だ。

ヘリングさんのファンだという磯村勇斗さん

東京展スペシャルサポーターと音声ガイドナビゲーターを務める磯村勇斗さんは、以前からヘリングさんが大好きだったという。初挑戦となった音声ガイドでは、ヘリングさんのアートや人生を紹介する。

同展は今後、2024年4月27日(土)~6月23日(日)に神戸、同年7月13日(土)~9月8日(日)に福岡、同年9月~11月(予定)に名古屋、同年11月~2025年1月(予定)に静岡、2025年2月~4月(予定)に水戸と、全国巡回を予定する。

日本初公開作を含む大規模な回顧展。貴重な機会を逃したくない。

「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」
会期:開催中~2024年2月25日(日) ※会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー
所在地:東京都港区六本木6丁目10-1 六本木ヒルズ森タワー 52F
開館時間:10:00~19:00(金曜日・土曜日は20:00まで、12月31日~1月3日は11:00~18:00) ※入場は閉館の30分前まで
入館料:一般2,200円(税込) ※日時指定券による事前予約制

(SAYA)

※混雑状況により、引換え・入館までの待ち時間が発生する場合や、入館できない場合がある
※来場の時期によって、会場併設ショップでの取り扱い商品が異なる可能性がある
※本展には性的な表現を含む作品が出品される
※展覧会の内容・会期等が変更になる場合があるため、最新情報は展覧会公式サイトで要確認

All Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation 撮影はすべて山本倫子さん