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「安い」「シンプル」「コンパクト」三拍子揃っている
ハンドリングや乗り心地は独立懸架式に劣る

「安い」「シンプル」「コンパクト」三拍子揃っている

トーションビーム式サスペンションとは?メリット・デメリットなど解説
(画像=©tamayura39/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

トーションビーム式サスペンションは、5リンク式サスペンションのような多方向への動きの制御はできませんが、非常にシンプルな構造で済むのが特徴です。3リンク式サスペンションに存在するラテラルロッド(横方向の位置決めをするリンク)の役割をトーションビームが担う、理にかなった構造となっています。

部品点数が少ないため生産コストが抑えられるというメリットだけでなく、上下左右への突起物が少ないため、スペース効率に優れているのもこのサスの美点です。つまり、可能な限り低床にできるというわけです。

また、トーションビームがリジッドアクスルのように荷重を分散させるため、ある程度の剛性を計算できるというのも特徴です。

これらの利点を活かして、人や荷物を後部に載せることが前提のクルマ、つまりハッチバック車や軽トールワゴン、ミニバンのリアサスペンションに使われるのが一般的になっています。

ハンドリングや乗り心地は独立懸架式に劣る

トーションビーム式サスペンションとは?メリット・デメリットなど解説
(画像=©beeboys/stock.adobe.com、『MOBY』より引用)

また、昨今はハイブリッド車やEVにも採用されることが多くなっていますが、これはバッテリーをマウントするスペースをトーションバー式であれば作りやすいという理由からです。

加えて、車種によってトーションビームの剛性をチューニングすることで、そのクルマの乗り味を様々に変えることができるのもメリットのひとつです。

とはいえ、トーションビーム式サスペンションはトーションビームの剛性と、トレーリングアームのピボットに入っているゴムブッシュによってセッティングが決まってしまいます。

そのため、素早く脚が動くようなスポーティな走行シーンには向かず、ジオメトリーも単純であることから、ハンドリングも乗り心地も5リンク式などの独立懸架式サスペンションには到底及びません。また、アライメント調整(タイヤ・ホイールの角度の狂いを修正すること)ができないのも、トーションビーム式の弱点といえるでしょう。

文・山崎 友貴/提供元・MOBY

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