BtoBプラットフォームの運営を行う株式会社インフォマートは、2024年4月に適用される「時間外労働の上限規制」を受けて、「物流の2024年問題」に関する実態調査を、物流業界で働く404人を対象に実施。
その結果を発表しました。
運送業の課題1位にあがったのは
2024年4月から、改善基準告示の改正への対応により、ドライバーの時間外労働時間の上限が年間960時間に制限。拘束時間や休憩時間の基準がより厳しくなります。
本調査では、「物流の2024年問題」に関連する課題について勤務先の状況にあてはまるものを、複数回答ありで運送業と倉庫業に分けて聞いています。
運送業の課題1位は、「労働時間の管理方法の見直し(49.7%)」と半数近くに上りました。
2位に「従業員の収入減少(40.6%)」、3位に「従業員の離職(37.4%)」と続いています。
ドライバーの労務管理の対応がメインの課題といえそうです。
倉庫業の課題は?
一方、倉庫業の課題として最も多く挙げられたのは、「運賃の値上げ・配送コストの増加(47.1%)」でした。
2位が「荷役作業など倉庫内作業負担の増加(31.1%)」。3位は「運送会社との交渉・契約の見直し(30.6%)」「燃料や資材高騰等のコストアップ(30.6%)」と並びます。
運送コストの増加にともなうコストや負荷増への懸念が伺えます。
どんな対策を?
「物流の2024年問題」に関連する対策について現在取り組んでいるものも、運送業と倉庫業に分けて調査しました。
運送業では「値上げ交渉(33.5%)」が最も多く、2位以下では「荷役・荷待ち時間の交渉(22.6%)」「給与形態の見直し(21.3%)」「輸送方法そのものの見直しや変更・モーダルシフト(21.3%)」との回答が寄せられています。
人件費の増加により物流コストが上がることへの対策が上位にあがってきた印象です。
また、倉庫業では、「荷役・荷待ち時間の見直し(34.5%)」「荷主や運送業者との料金交渉(28.6%)」「輸送方法そのものの見直しや変更・モーダルシフト(22.8%)」が上位3つとなりました。
物流をいかに効率化できるか、コスト増を見越しての対策のようです。
モーダルシフトとは
モーダルシフトとは、トラックなどの自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換することをいいます。長距離輸送の物流コスト削減や、人手不足への対策などのメリットがあり、環境負荷の低減効果が大きい取り組みでもあります。
モーダルシフトとは|国土交通省