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昔はもっと一般的に使われていた理由
現代の車においては効果が議論がなされている
昔はもっと一般的に使われていた理由

昔の車においては、燃料タンクに水抜き剤を使用することが一般的でした。特にキャブレターを搭載した古い車では、燃料供給系統の清浄化や不純物の除去のために水抜き剤が頻繁に使用されていました。
昔の燃料供給システムは、燃料フィルターや燃料ポンプなどの部品の構造や機能が現代の車とは異なっており、不純物や水分の混入がより頻繁に起こる傾向がありました。また、燃料の品質も現代と比べて安定しておらず、精製度が低かったため、不純物や水分の除去が重要でした。
近年では自動車の技術は進化し、燃料供給システムの機能と品質が向上し、燃料タンクに追加する水抜き剤の必要性に疑問が投げかけられています。
まず、燃料供給システムの進歩により、燃料フィルターや燃料ポンプなどの部品が効率的に不純物や水分を除去する能力を持つようになりました。加えて、燃料の品質向上も進んでおり、高品質な燃料が市場で入手可能です。これにより、現代の車は不純物や水分の除去において高い効果を示し、燃料タンクに水抜き剤を追加する必要性が低下しました。
次に、自動車メーカーの推奨事項やメンテナンスマニュアルに従うことが重要です。一般的な自動車のメンテナンス手順では、燃料系統の点検や燃料フィルターの交換などが定期的に行われます。これにより、燃料供給システムを適切に維持し、不純物や水分の混入を防ぐことができます。
現代の車においては効果が議論がなされている

以上を踏まえて、ガソリンスタンドで勧められる燃料タンクの水抜き剤について考えると、一部のガソリンスタンドでは、水抜き剤の使用を推奨していますが、現代の車においてはその必要性は低いと言えます。自動車メーカーやメンテナンスマニュアルの指示に従い、定期的なメンテナンスを行うことが燃料系統の健全性を保つ上で重要です。
ただし、「使用することで、エンジンの燃焼効率や始動性、パフォーマンスを改善する」と主張しているガソリンスタンドもあります。彼らは燃料中の不純物や水分の除去により、エンジンの動作をスムーズにし、潤滑性や燃料噴射の正確性を向上させると主張しています。また、水抜き剤はエンジン内の部品を保護し、寿命を延ばす効果があるとも述べられています。
しかし、これらの主張に対しては議論があります。一部の専門家は「現代の燃料供給システムはすでに高度なフィルタリングと浄化機能を備えており、水抜き剤の効果は限定的である」と主張しています。さらに、燃料タンクに添加される水抜き剤は、燃料中の水分を吸収または分散させることで除去するため、水分が蒸発するまでに時間がかかる場合もあります。
したがって結論付けるとすれば、現代の車において燃料タンクに水抜き剤を使用する必要性は依然として議論の余地があるということでしょう。水抜き剤の効果に依存せず、一般的なメンテナンス手順に従い、燃料フィルターの定期的な交換や燃料系統の点検を行うことが重要です。また、自動車メーカーの推奨事項やメンテナンスマニュアルに従うことも忘れずに行いましょう。
最終的な判断は、車のメーカーやメカニックとの相談を通じて行うことをおすすめします。彼らから特定の車種や環境に基づいて、最適なメンテナンス方法や添加剤の使用に関するアドバイスを提供してもらうと良いでしょう。
余談ですが、私がガソリンスタンドでアルバイトをしていた1990年代中頃は、レギュラーガソリンは1リットルあたり80円台という価格でした。
私が務めていたガソリンスタンドでも水抜き剤や添加剤のキャンペーンもしばしば行われ、販売本数に応じてインセンティブが入ることもあり、頑張って声がけしたことを今も覚えています。それから約30年が経ち、ガソリンの価格はおよそ2倍、社会も自動車業界もずいぶんと変わったように思います。
文・小松 男/提供元・MOBY
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