元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、今季途中でヴィッセル神戸を退団。現在はUAE1部エミレーツ・クラブでプレーしているが、神戸時代と同じような状況に置かれていることで注目を集めている。
バルセロナ時代に数多くのタイトルを獲得してきたイニエスタは、2018年夏に神戸へ加入。神戸でも中心選手として活躍し、2019シーズンの天皇杯優勝に大きく貢献していた。ただ一方で2022シーズンは自身がキャプテンを努める中、チームが序盤から低迷。一時はJ1最下位に沈むなど苦戦を強いられていた。
そんな中、神戸は昨年6月に吉田孝行氏を招へい。イニエスタはコンディション不良や吉田監督の戦術にフィットしなかったこともあり出場機会を減らすと、今年7月に神戸を去り、エミレーツ・クラブへ加入した。
新天地のエミレーツ・クラブでも、キャプテンを任せられているイニエスタ。加入1年目からリーグ戦10試合中7試合でスタメン出場するなど、バルセロナ時代もチームメイトだったFWパコ・アルカセルとともに定位置を確保。しかしチームは開幕から10試合で1勝2分7敗。14クラブ中13位と、2部降格圏に沈んでいる。
それだけにスペイン紙『アス』は、「UAEにおけるイニエスタとアルカセルの悪夢」と見出しをうち、2選手やエミレーツ・クラブの現状をリポート。同クラブが直近5試合で20失点、カップ戦1回戦で2試合合計0-8と大敗を喫したことに触れた上で、「エミレーツ・クラブに短期的な解決策はない」と指摘。
元FC今治監督で、神戸でも暫定指揮を執った過去を持つリュイス・プラナグマ氏がチームを率いているが、『アス』は「リュイスの状況は非常に微妙であり、チームがすぐに結果を出せなければ、クラブの経営陣は後任探しをしなければならなくなる状況だ」と、解任の可能性に触れている。
またイニエスタについては「彼は39歳にもかかわらず、今シーズンは開幕から安定したプレーを見せている」と評価。ただ下位に低迷しているチームの現状を踏まえて「彼の経験と才能はチームの競争には役立っていない」と綴っている。