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軽自動車は利益率が悪い
メーカー内の別セグメントユーザーも取ってしまう
軽自動車は利益率が悪い
軽自動車は車両価格の安さが特徴です。しかし、そのぶん利益率も低くなります。さらに近年は厳格化する環境基準や安全基準に対応させるために製造コストも上げざるを得なく、軽自動車1台あたりのメーカー利益は、わずか数万円ともいわれています。
軽自動車市場はたくさん売らなければ利益が上がらない仕組みであり、しかも国内のみで販売しなくてはならない制約があります。
もちろん、これはN-BOXも該当します。N-BOXの高い新車価格は、性能アップのためのコストアップであり、これだけ売れに売れても利益はそれほど多くありません。また、維持費が安価な軽自動車ということもあって、販売店側でも車検やメンテナンスで上げられる利益は少ないとのことです。
しかも2020年度の段階において、ホンダの国内販売における軽自動車比率が50%を超えており、この傾向は続くとみられています。
メーカー内の別セグメントユーザーも取ってしまう
N-BOXがたくさん売れることで別の問題も発生します。利益率が低い軽自動車N-BOXが売れてしまうと、利益率が高いホンダの他車種と競合してしまいます。
とくに割を食っているのは、ホンダの主力コンパクトカーであるフィットです。現行4代目フィットは2020年に登場したものの、歴代フィットに比べて販売は低迷中。そのすべての原因がN-BOXにあるわけではありませんが、いくらかのユーザーはフィットからN-BOXへ流れているとみるのは妥当でしょう。
当然ながら、ホンダとしてはN-BOXを100万台売るより、フィットを100万台売った方が高い利益になります。初代フィットの記録を超える大快挙を成し遂げ、さらにそれを現在も更新中であるN-BOXは間違いなくホンダの傑作と呼べる車です。しかし、ホンダには両手を挙げては喜べない状況といえるのではないでしょうか。
文・伊藤友春/提供元・MOBY
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