バグダッド電池は何に使われたのか

 たとえば、バグダッド電池を神聖な偶像の中に埋め込み、それに触れた信者を「ざわつかせる」ようにした、という宗教的な手品もその1つだ。

 一方、ケーニッヒはバグダッド電池は金メッキ加工に使われたものだと考えている。当時は宝飾品製造などでそのような行為が行われていたことが知られているが、より原始的な方法を使っていた。彼は電気メッキをより簡単に行えるようにするためにバグダッド電池が開発されたという説を唱えたのだ。

 この説を批判する人は、当時もその後もそのような方法が使われていた証拠がないことを指摘している

 ケーニッヒの説の主な欠点の一つは、バグダッド電池そのものの効力に関するものである。そのままでは1ボルト程度の電圧しか生み出せない。これではとても電力を供給することはできず、金メッキの加工にも使用できない上、電力を増幅するワイヤーも発見されていない。

オーパーツ「バグダッド電池」とは? 電池だと考えられる理由、使用目的、有力な仮説を紹介
イラク国立博物館に保管されていたバグダッド電池(画像は「YouTube」より)(画像=『TOCANA』より 引用)