今年2月、東京タワーを望む六本木・飯倉片町に開業した「Métis(メティス) 六本木」が、『ミシュランガイド 東京 2024』にて、一つ星を獲得した。

食通、ワインラバー、そして業界からの好評価と熱い期待を受けながら、早速獲得したミシュランの一つ星。そんな同店では、現在クリスマスコースの予約を受付中だ。

料理コンセプトは「和魂洋才」、イノべーティブな薪焼き

フランス滞在中、フランス料理界の巨匠達から直に受け継いできた本物のフランス料理を、“いま”の日本で表現していくシェフの鈴木昌嗣氏。イノベーティブ・フュージョンという言葉、ジャンルが定着しつつあるこの業界において、本物を識る彼だからこそ得られる解釈と作品を楽しみたい。

同店では「和魂洋才」のコンセプトのもと、和の旬の食材とフレンチの手法とエスプリを巧みに織り交ぜながら、独自の味を探求している。

また、現在様々な調理法が確立されている中で、同店では最も原始的な「薪火での調理」という、イノベーティブ・革新と相反する原点回帰もしながら、いまのガストロノミーの世界に発信していきたいと考えているとのこと。

薪火の原理と効果を理解し、素材に合った火の扱いを存分に発揮した肉料理の数々は、まさに真骨頂と言えるだろう。

星付きレストランで経験を積んだシェフ

同店のシェフ、鈴木昌嗣氏は、15歳で料理の世界に入り、20歳で渡仏。フランスの一つ星レストランで研修後、都内フレンチレストランでの修業を経て再渡仏した。

星付きレストラン「ステラマリス」や「ジェラール・ベッソン」などで経験を積み、帰国。2022年「Métis」料理長に就任した。

炎を間近で感じられる座席で味わう黒毛和牛

同店は、和の意匠を盛り込んだシックな内外装となっている。漆黒の扉を開き店内に足を進めると、薪台と竈(かまど)を中央に配したライブ感のあるカウンターキッチンが広がる。

どの席からも薪の炎を眺められる、8席の臨場感ある非日常的な空間。薪の爆ぜる音と香りとともに、五感を通して楽しんでほしいという思いが込められている。

薪焼き店舗が増えつつある昨今、これほどまでに炎を間近で感じられるカウンター席は魅力の一つだ。

厳選した黒毛和牛の希少部位

同店では、牛肉の最高等級であるA5に加え、肉の霜降り度合いを示す数値であるBMSも、12段階中最高ランクの12の基準をクリアした部位を厳選し使用している。

希少部位の「クリミ」にはバランス良くサシが入っているが、肩肉の一部で運動量が多い部位となる。脂肪が少なく、しっかりとした肉質かつタンパク質が豊富なため、旨みが強く過度な脂質は感じさせないのが特徴だ。