英2部チャンピオンシップの第20節が日本時間12月9日に行われ、MF坂元達裕が所属するコベントリー・シティがホームでMF三好康児の所属するバーミンガム・シティと対戦し、日本人対決が実現。2-0とコベントリーが勝利を収めた。
共にイングランドの中心部に位置するウェスト・ミッドランズを拠点にすることから“ウェスト・ミッドランズ・ダービー”としても現地で注目を集める一戦は、試合前から警官隊や騎馬隊がスタジアム周辺を囲むなど厳戒態勢で執り行われた。
試合開始から激しい立ち上がりとなり、坂元と三好は両者とも[4-2-3-1]の右サイドハーフでのプレー。タッチライン際でポジションを張ってサイドからアタックする坂元に対し、三好は積極的に中に絞って攻撃を組み立てる。
両チーム引かず均衡した状態が続くが、30分に坂元が繋いだボールをMFカルム・オヘアがネットを揺らし先制点を獲得。その後も坂元が効果的に右サイドから攻撃の起点となり、バーミンガムのディフェンスに迫る。
一方のバーミンガムは三好を中心に前線にボールを供給するも味方FWがボールを下げてしまう場面が多くなり、コベントリーゴールに迫ることができない。後半に入ってコベントリーがゲームを支配すると三好は守備に奔走する時間が増え、見せ場を作ることができずに70分に交代。プライベートでも仲が良いという両選手のマッチアップはほとんどなかった。
その後も坂元は強度の高い守備を見せながら右サイドを的確に支配。77分にはオヘアが2点目を決めて2-0とした。試合終盤に坂元もオーバーキックシュートを披露するなどキレキレのプレーを見せてフル出場。試合はそのまま2-0とコベントリーが勝利を収めた。
コベントリーの現地紙『コベントリーライブ』は、坂元をチームで2番目に高い8.5(10点満点)と採点し「実に躍動し、サイドバックの(ミラン・)ファン・エヴァイクと効果的に連携を見せ、オヘアのゴールを助けた。守備でもカウンターの危機をタックルで阻止するんなど全体としてエクセレントなパフォーマンスだった」と評価。一方の三好に対して『バーミンガムライブ』は5(10点満点)を与え「今季で最も輝いていなかった。正確なパスに反して決定力が乏しかった。ルーニーが早々と交代させたのも驚きではない」と評している。
コベントリーはこの白星ににより暫定14位に浮上。一方のバーミンガムは16位に沈み、ウェイン・ルーニー監督就任前には5位だった順位からリーグ下位にまで低迷。ルーニー政権下の9試合で1勝7敗1分と成績が振るっていない。
試合後の記者会見で、バーミンガムの地元紙記者が失点の多さに対して質問すると、ルーニー監督は「失点を減らそうと改善しているところ」と返答。納得のいかなかった記者が戦術について批判を展開し、両者が激しい口論になる場面も見られた。