明治安田生命J1リーグ第32節・浦和レッズ対ヴィッセル神戸では、神戸所属FW大迫勇也の決勝ゴールを巡り議論が白熱。オフサイドを指摘するファン・サポーターもいる中、日本サッカー協会(JFA)審判委員会の説明に対する疑問の声が噴出。川崎フロンターレOBの武岡優斗氏や横浜F・マリノスOBの下平匠が注文をつけている。
問題視されているのは、1-1で迎えた後半アディショナルタイム90+6分のシーン。神戸所属GK前川黛也がMF中島翔哉のフリーキックを直接キャッチすると、GK西川周作がゴール前まで上がっていた中、素早くパントキック。ハーフウェーライン付近で待ち構えていた大迫のもとにボールが渡ると、大迫がロングシュートで無人のゴールに流し込んだ。
ただこのシーンでは前川がボールを蹴り出す瞬間、自陣に残っていた浦和の選手はDF大畑歩夢のみ。くわえて大迫の身体の一部が敵陣に入っていることが、X(旧ツイッター)上に投稿された画像から確認されているだけに、オフサイド疑惑がささやかれていたほか、VAR(ビデオアシスタントレフェリー)判定が不可能な事象という見方もあった。
JFA審判委員会は8日実施のレフェリーブリーフィングで「VAR側に届く映像で、大迫のシーンを捉えているものはなかった」と説明。誤審の可能性について「非常に難しい事象」と述べるにとどまった。
それだけにネット上では、JFA審判委員会の見解に対する手厳しい声が多い。かつて川崎やヴァンフォーレ甲府でプレーしていた武岡氏は「今更何を言っても変わらんけど。ツッコミどころしかないなこれ」と切り出すと、「『非常に難しい事象だった。』 で? 曖昧に蓋するのね。ずるいね」と非難。
ガンバ大阪、横浜FMなどJ複数クラブでのプレー経験を持つ南葛SC所属DF下平匠は、Xで「非常に難しい事象だった。それはみんな分かってて、その上でどうだったのか聞きたいなぁ。審判を責める気もないし、結果はもちろん変わらないねんけど、曖昧に蓋しちゃうのはなんか嫌」と綴っている。
また下平の投稿には、武岡氏が「シンプルにずるいわ」と反応。これに対して下平氏は「神戸や大迫選手が、1年かけて積み上げてきて勝ち取った優勝や得点王だから、その部分は間違いないんです!ただ起こった事実に対しては、白か黒かハッキリした方が気持ちいいですね!!」と、JFA審判委員会の判定検証に改善を求めている。